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パリ旅行 2006 *映画編* [パリ2006*Paris]

パリに旅行する前に、いくつかパリが舞台の映画を鑑賞しました。

パリで一緒に

パリで一緒に

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/04/21
  • メディア: DVD

■ パリで一緒に ■

監督 製作: リチャード・クワイン
原作: ジュリアン・デュヴィヴィエ、 アンリ・ジャンソン
出演: ウィリアム・ホールデン as ベンスン 又は リック
     オードリー・ヘップバーン as ガブリエル 又は ギャビー
1963年 アメリカ

*あらすじ*
脚本家のベンスンは、パリのホテルで新作映画を執筆中、タイピストとしてガブリエルを雇います。
二人は一緒にストーリーを考えていくうち、互いに惹かれあうようになります…
まるで、今、生まれつつある新しい映画の中の主人公とヒロインのように。

                      ****

舞台はパリだけれど、二人が缶詰となるホテルや、リックとギャビーが出会う広場はきっとセットでしょうし、エッフェル塔やシャイヨー広場程度で、後はあまりパリの風景のみどころは無いですよね、しかし、お食事していたブーローニュの森のレストランは優雅で素敵でした。
実はいつも私はホテルのインテリアとか、オードリーのファッションに注目してしまいます。
確か彼女の衣装はジバンシィですよね、パステルカラーのシンプルなカッティングのワンピースが清楚で可愛い♪
また、ブルーのナイトウェアは、劇中でベンスンがうっとりするのも頷けるロマンチックさで素敵でした。
“現実”と“構想中の映画”、更にはこの映画自体を観ている私たちがいて…と、何かトリックを観ているようで楽しい映画です。

パリのレストラン

パリのレストラン

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2000/06/23
  • メディア: DVD

■ パリのレストラン ■

監督 製作 脚本 原作 ローラン・ベネギ
出演 ミシェル・オーモン as イポリット
    ステファーヌ・オードラン as ジョゼフィーヌ
1995年 フランス
*あらすじ*
当夜限りで閉店が決まったパリの小さなレストラン“プチ・マルグリィ”。
その最後の晩餐に集まった昔ながらの友人たちの人間模様を描いた作品。
原作は、監督自身の父親をモデルに、自ら執筆した小説『パリのレストラン』。
                     ****

レストランを閉めることになった原因とか、友人同士が不倫していたことが露呈するとか、シビアな面を交えつつ、この小さなレストランとそれを営んできた家族の歴史を温かく、そしてちょっぴり哀しく描いています。
それまでたわいのないことを、思い思いにペラペラとお喋りしていた客たちが、料理に舌鼓を打つ時は、誰もが押し黙ってしまう、そして本当にうっとりとおいしそうに食べるんですよね(^m^)
その幸せそうな姿を見ていると、おいしいものを食べるということは心が豊かになること、穏やかになることなので、改めて“衣食住”の大切さを感じます。
皆にそんな幸せを提供しているシェフって素敵なお仕事だな~(´v`)
このレストラン“ル・プチ・マルグリィ”は実在するそうですから、いつか探して行ってみようと思いました、もしくはパリのなんの変哲も無い街角に、こんな小さな素朴な行きつけのお店を持てたらいいな~と思います。

雨の朝パリに死す

雨の朝パリに死す

  • 出版社/メーカー: ビデオメーカー
  • 発売日: 2004/09/01
  • メディア: DVD

■ 雨の朝パリに死す ■

監督 リチャード・ブルックス
製作 ジャック・カミングス
原作 フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド
脚本 リチャード・ブルックス 他
出演 エリザベス・テイラー as ヘレン
    ヴァン・ジョンソン as チャールズ
1954年 アメリカ
*あらすじ*
パリの街角で出会い結ばれた、作家を目指す青年・チャールズと、裕福で奔放な娘・ヘレン。
作家で成功するという夢がなかなか現実にならず次第に荒れていくチャールズ、更にはヘレンも夜な夜な遊び歩くようになり、二人の心はすれ違ってゆきます。

                            ****

THE LAST TIME I SAW PARISという原題もいいですし、そしてこの邦題がよいではありませんか!
できたら、“雨の朝パリに死す”でなくて、“雨の朝、パリに死す”が良かったです(細かい?)
“~に死す”っていうところに妙に惹かれます、ヴィスコンティの『ベニスに死す』も題、内容ともに大好きですし、他には…何かないでしょうかねぇ(知らないのかい…)
とてもインパクトのある題名なのですが、“死して”終わるのではなくて、その後にも第二部的なお話が続くのですよね。
私が見たのは淀川長冶さんの解説つきの古いビデオでしたが、今発売中の500円(!)のDVDにもそれは付いているでしょうか、彼も題名を絶賛していました。
ヘレンは自堕落になり、やがては死んでゆくわけですけれど、私はあまり退廃さを感じなかったですね…それはどこかでチャールズに立ち直ってもらいたいという願いがこもっていたせいでしょうか。
チャールズも、彼は彼で、家族のためにと思い描いた夢がなかなか上手くいかずに荒れていくわけです。
それぞれが愛と思いやりを持っていても、その表わし方を間違えれば悲劇につながるということなのだと感じた作品でした。

モンパルナスの灯

モンパルナスの灯

  • 出版社/メーカー: ビデオメーカー
  • 発売日: 2003/12/19
  • メディア: DVD

■ モンパルナスの灯 ■

監督 脚本 ジャック・ベッケル
原作 ミシェル・ジョルジュ・ミシェル
出演 ジェラール・フィリップ as モディリアーニ
    アヌーク・エーメ as ジャンヌ
    リノ・ヴァンチュラ as モレル
    リリー・パルマー as ベアトリス
1958年 フランス
*あらすじ*
夭折した画家・モディリアーニの人生を描いた作品。
作品を理解してくれるのは、画商のズボロフスキーのみ、貧困に喘ぎ、酒と女に溺れる無為な日々を送るモディリアーニでしたが、ある日美術学校で出会った美しい娘・ジャンヌと出会い、反対を押し切ってふたりは結婚します。

                       ****

大好きなジェジェ様を、初めて映画館の大きなスクリーンで観た、私にとっては記念の作品です。
また、モディリアーニが死の床に就くシーンが、ジェジェ様が画家と同じく36歳という若さで天に召されたという事実を思い起こさせ、ファンとしてはとても哀しい映画でもあります。

ほとんど才能を評価されない画家も哀れですが、彼を支えるジャンヌとズボロフスキーのひたむきな姿もけなげです。
特に、アメリカ人の富豪が絵を買ってくれそうなのにもかかわらず、画家のプライドから商談が成立しない場面、せっかく、生活費が入るチャンスを無駄にしてしまったというのに、諦観が漂いながらも二人とも一言も文句を言うことなく帰途に着くところなど泣けてきます(p_;)
画家に対する絶対的な愛がひしひしと伝わってくる場面ですね。
そして忘れてならない、画商・モレルの存在がこの映画をよりドラマチックにしていますね。
モディリアーニの死の匂いを嗅ぎつけたかのようにつけまわし、画家が息絶えたと同時に作品を買いあさるモレルのその様は、死肉を喰らうハイエナそのもので、何度観ても苦虫を噛み潰したような気分になるのです。

画家の死後、実在した妻・ジャンヌは幼い子供を残して自ら命を絶ってしまいます。
しかし、子供は引き取られた親族のもとで、きっと幸せに暮らしたことでしょう。

ということで、今回パリでは、この映画に登場し実際にロケに使われたという、モンパルナスにあるカフェに寄ってきました(^^)


カフェ “ル・ドーム”

モディリアーニと愛人のベアトリスが、テラス席に座っているシーンで使われています。
残念ながら、8月中はお休みということで、店内に入ることはできませんでした。


カフェ “ラ・ロトンド”

モディリアーニが作品を5フランで売り歩いているシーンで使われたカフェ。
朝だったせいか、観光客は少なく、地元のマダム同士がおしゃべりに興じていたり、朝刊に目を通しながら一人で朝食をとる男性がいたりと静かでのんびりしていました。


「ジェジェ様が座ったかも~♪」というミーハー興奮状態を押し殺しながら、店内をササッと撮影v
夜になると、お酒と煙草の煙にとりまかれ、軽い興奮状態とけだるさの入り混じったムードになるのでしょうね~。


店内から写したカフェ “ル・ドーム”。
同じヴィヴァン交差点にあります。

その他、パリが舞台の映画といえば…

バトームーシュでセーヌ川クルーズがロマンチックなシャレード

シャンゼリゼ大通りで、キュートなTシャツ姿でジーン・セバーグが新聞を売り歩く勝手にしやがれ
「ニューヨーク・トリビューン!」

イブ・モンタン! な~んてチャーミングなおじ様なんでしょう♪
彼がパリのブラッスリーのギャルソン(ウェイター)に扮し、キビキビした仕事ぶりが気持ちいいギャルソン!
「ボナペティ!」

何不自由ない生活を送る一方、娼婦としての顔を持つパリの上流マダムの心の闇を描いた昼顔
ドヌーヴがプライベートでも愛用しているというイヴ・サンローランの上品な衣装も見所ですね。

そして、私としては絶対忘れてならない、大好きなヘルムート・バーガー様の雨のエトランゼ
70年代の建築なのでしょうか、一般的なパリで見かけるのとは違った、シンプルでモダンなアパルトマンが素敵。
ここで、美しくも哀しく残酷な物語が繰り広げられます。







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SUKIPIO

こんばんわ、お久しぶりです。
懐かしい作品が載せてありましたので、コメントさせて頂きました。
最初の「パリで一緒に」では、「麗しのサブリナ」で共演したウィリアムホールデンはオードリーに夢中になって、一時、二人のロマンスの噂が広まったのですが、結局はホールデンの片思いに終わったので有名なのですが。オードリーのファッションが、見ものでしたね。
又、同年の、「シャレード」とはジェスチャー、という意味なのですが、ドーネン初のサスペンスですね。ヘンリーマンシーニの音楽も謎めいた部分と変化するテンポを上手く描写しており、フランスの雰囲気とアメリカ的な洒落を所々散りばめさせて、クライマックスのどんでん返しに至る息もつかせぬ展開でした。
「モンパルナスの灯」は、36歳でジャンヌと絵画を残し、モディリアニは逝く。そのモディリアニの伝記の映画化でもありますが、「事実だけを描いた訳でもない」と監督の言葉からも、フィリップ独自の内面的葛藤の描写や美しいアヌーク・エメの一途さから堪らなく愛しい存在感が残る演出から、背景の侘しさが、凄まじく叙事を表現した様な作品に監督の意図があったのか。
このカフェ”ル・ドーム“は、映画「続・フレンズ」でも物語と風景の背景に面白く意味合いを持っいました様に思います。
「勝手にしやがれ」この映画は、衝撃的なラストのわりには、テンポの早さとドキュメントタッチを入れる手法から、重過ぎない様にする事で、揺れ動く二人の心が上手く演出されていました。セバーグもアメリカ人なのですが、セシールカットの本家からもパリジェンヌらしく感じられ、その後の彼女の生き方や、当作品監督ゴダーからもヌーベル・ヴァーグの象徴的作品でした。
「ギャルソン」ではモンタン演じるギャルソン、アレックスが遊園地を作るのを将来の目的として、パリのレストランを舞台に日夜はげんでいる独身の中年男が、その平凡な生活ながらもフランスらしさが出ている大人の生き方を、愉快に描き、ソーテならではの演出が快い映画に仕立てられたもと思います。
そして、「雨のエトランゼ」は愛の不毛を描いた作品で、ヴィスコンティ映画の常連であり、監督の恋人でもあったヘルムート・バーガーは、自伝ではバイセクシャルな体験を綴り、寵愛を受けたヴィスコンティ監督が亡くなってからは自らを”未亡人”と呼んではばからなかったのですが、彼の本質でもある強烈な個性そのもであった様な演技が上手く演出されていましたね。又、ヴィスコンティは、「ベニスに死す」でも美少年ビヨルン・アンドレセンを世に出しています。
by SUKIPIO (2006-09-20 19:34) 

ミカエラ

■SUKIPIOさん、こんにちは(^^)
お久しぶりですね~、コメントありがとうございます。

>>「麗しのサブリナ」で共演したウィリアムホールデン
↑そうそう、サブリナが片想いしていたデヴィッド役でしたね、実は私はボガードよりもこちらが好みでした(;^^)
実際はホールデンがオードリーに恋していたとは知りませんでした、面白いですね。

>>「事実だけを描いた訳でもない」と監督の言葉からも、
↑そうですね、モディリアーニは同じエコール・ド・パリの画家キスリングやフジタらとも交流があったようですし、実際はあれほど孤独で殺伐とした生活でもなかったようにも思えますね。
モレルのような画商がいたら怖いですし(笑)
しかし、ズボロフスキーは、実際に画家の作品に理解を示し支援した画商・ポール・ギョームをモデルとしているのではないかしらと思います。

>>アヌーク・エメの一途さから堪らなく愛しい存在感
↑仰るとおり! 特にラストの、画家の死を知らずにモレルが絵を買いにきた時、やっと報われたという安堵の表情(でもどこか哀しげ)に毎度涙してしまいます。
彼女は『ソドムとゴモラ』の冷血な女王役も嵌っていましたよね~、どちらも素敵です♪

>>「勝手にしやがれ」この映画は、衝撃的なラストのわりには、テンポの早さとドキュメントタッチを入れる手法から、
↑ 撮影方法は斬新な手法で当時は革新的だったと後で聞きました。
ベルモンドが車を運転中にこちらに向かって話しかけるシーンなどは、今でもとっても新鮮ですよね。

そして『雨のエトランゼ』のお話ができて嬉しいです~(うるうる)

>>自伝ではバイセクシャルな体験を綴り、寵愛を受けたヴィスコンティ監督が亡くなってからは自らを”未亡人”と呼んではばからなかったのですが、彼の本質でもある強烈な個性そのもであった様な演技が上手く演出されていましたね。
↑おお、SUKIPIOさんも自伝を読まれましたか(゜∀゜)、初めて読んだ時は私にとっては衝撃的でした。
少し狂気じみているなと感じましたので、ほんと、映画の中のアランと重なるものがありますね~。
そんなところも、この映画がヘルムート様ファンに強く支持される理由でしょうか、早くDVD化されるといいですね(^^)
by ミカエラ (2006-09-21 14:34) 

カポ

こんばんは、今日は本当に寒かったです~~。
また寒風の中、首を縮めて歩く季節がやって来るのですね。
そんな時に 「ラ・ロトンド」や「ル・ドーム」でミカエラさんとカフェオレを手に いろいろとお話出来たら楽しいだろうなぁ~なんて ↑のレポを拝見しながら想像していました・・^^ゞ

映画でパリ旅行を語る・・素敵です!!
ミカエラさんのレポ&感想を読ませてもらって 映画と共にその風景が記憶の中から思い起こされて楽しい時間を過ごさせてもらいました。
またSUKIPIOさんの丁寧な解説も とても勉強になりました。

「パリのレストラン」は好きな作品です。
いろいろな人間模様があったけれど 老シェフを囲む人々の彼やレストランへの愛情に溢れた作品ですね。
こういうお店、日本の定食屋さん風で美味しそうな気がしませんかぁ?
「モンパルナス・・」はもちろん、ジェジェの居た空間を身を置かれたミカエラさんが羨ましいわ~!
そして 何と言っても最後のヘルムートとビルナ・リージの画像に感動してしまいました・・溜息。
ヘルムートが素敵なのは当たり前ですけれど ビルナ・リージの透明感のある美しさは感動ものです。
作品の中での彼女の一途さにも心打たれたことを思い出します。
この映画、他にアズナブールの刑事とともにアラン・ヌーリーがヘルムートやビルナに負けず劣らず美しかったですね。

そうそう、「・・・死す」というタイトルですが 私がすぐ浮かぶのはアニー・ジラルドの「愛のために死す」です。
最近こそ良く観る女性教師と学生の危険な恋物語ですが ご覧になっていますか?
これを初めて観た時は かなりトキメキましたよ~♡
これ以来、めっきりこの手の作品がツボになりました。(笑)

他の旅行記も楽しませてもらいますね(^^ゞ)
by カポ (2006-10-24 20:55) 

ミカエラ

■カポさん、こんにちは(^^)
ほんと、昨日は寒かったですね、雨も降っていましたし、ユウウツな一日でした。
でも今日はいいお天気で気分爽快ですv

…え! カポさんとパリのカフェでジェジェ様について語り合う!?
むむ、それならば、自伝を読み返して復習しなければなりませぬ=3(…って真剣に考えてどーする)

『パリのレストラン』はいい映画でしたよね、突飛な展開こそありませんでしたけれど、おいしいお料理で人間同士がつながっているというのでしょうか、互いに諍いを起こしていても、食べるときは誰もが幸せそう~なところが印象的でした。
人の心にとって、“衣食住”とは大切なことなのだなと改めて考えさせられるところがありました。

>>何と言っても最後のヘルムートとビルナ・リージの画像に感動してしまいました・・溜息。
↑これは、ヘルムート様の写真集からショットなんですよ♪
多分、撮影の合間に写したものなのだと思います、ふたりとも楽しそうにしているので私もこの写真は気に入ってます。
この時のビルナ・リージ、綺麗でしたね(@。@)ファッションも好きでした、豹柄のコートとか。
ヘルムート様のクリスチャン・ディオールの衣装もスタイリッシュ&エレガントで素敵だったな~(うっとり)
アラン・ヌーリー、なんとも匂やかでエロティックでしたね、でも『ガラスの部屋』では打って変わって普通の青年を演じてましたが、こちらもなかなかよかったです。

>>私がすぐ浮かぶのはアニー・ジラルドの「愛のために死す」です。
↑おお、さすがカポさん! 教えて下さってありがとうございます(^^)
私の大好きな“禁断の恋シリーズ”なので嬉しいですわ~(笑)
しかし、実話が元になっているそうで、タイトルから…どちらか(?)が死んでしまうのでしょうね、きっと。
涙無くしては観られない悲しい物語みたいですね(ToT)
by ミカエラ (2006-10-25 16:23) 

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