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美術 プラド美術館展 の予習③ [美術*Art]

3/25(土)~東京都美術館で開催中のプラド美術館展の予習の3回目です。
今まで“4つのカテゴリー”に分かれて展示されていると申し上げていたのですが、“5つのカテゴリー”の間違いでした、大変申し訳ございませんm(_ _)m
今回は第3章のフランドル、フランス、オランダ絵画についてです。
しかし、例によって大幅に脱線しております、というか、今回はヴァン・ダイクのみにしか触れていませんので、予習というよりも“プラド美術館展に因んで”と言ったほうがいいかもしれません、あしからず~~。

プラド美術館は、スペインの王室コレクションが基盤となっていることは周知のとおりですが、スペインがフランドルと貿易によって密接な関係を持っていた上に、婚姻関係によっての深い政治的結びつきが加わったこともあり、現在この美術館には多くのフランドル絵画が残っているわけです。
又、特に16世紀に絶大な権力を握っていたフェリペ2世のフランドル絵画への執着はひとしおであり、特にボッスの作品を熱心に収集しました。
現在、世界でも類をみないほどのボッスの作品の充実振りは、彼のおかげといえるものなのです。


ヴァン・ダイク 『Portrait of a Man (Possibly Paul du Pont) 』 1627~1632年

公式サイトに記載の『男の肖像』は、写真や制作年の記述が無いため、はっきりとどの作品かがわかりません。
多分、今回の展示作品はこの肖像画ではないかと思われますが、確かではありませんのでご了承下さい。


ヴァン・ダイク 『ピエタ』 1628~32年

これも、公式ページに写真と制作年が無いため、今回の展示作品か、定かではありません。

以下の作品は全て、今回の展示作品ではありません。


ヴァン・ダイク 『エンディミオン・ポーター卿と画家』 1632~35年 (プラド美術館蔵)

ヴァン・ダイクはあまり細かなタッチではないのにとても写実的で、だからなのでしょうか、一瞬の動作を捉えて生き生きと見えるのが魅力だと思います。
右の人物は画家自身の肖像ですが、画家が注文作品の中に自画像を描きこむことはよくあるにせよ、依頼主(あるいはモデル)とツーショットで描かれているなんて、珍しいことなのではないでしょうか。
英国王チャールズ1世の美術品購入の代理人であったというポーター卿が、そうとう寛仁な人だったのかそれともそれほどの親しい間柄だったのか…いずれにしても興味深いですね。
画家が残したいくつかの自画像をみると、なかなかの美男子ですので、例えばボッティチェリのように、多くのパトロンや王侯にとても可愛がられていたのだろうと思います。


ヴァン・ダイク 『英国王チャールズ1世の肖像』 1635年 (ルーヴル美術館蔵)

王の義母に当たる、マリー・ド・メディシスに贈ったもの。
ヴァン・ダイクは、ルーベンスの工房を経て、イギリスへ渡り宮廷画家となって多くの肖像画を残しました。
彼の描く人々は、どれも宮廷人特有の高貴さの中に温かみがありますよね、人懐こい性格でありそうなところが魅力的です。

それに比べて、同じ英国の宮廷画家として活躍したホルバインのものは、近寄りがたい深くて静かな威厳を湛えていています。


左から
ホルバイン 『サー・トマス・モア』 1527年 (フリックコレクション蔵)  
『エラスムスの肖像』 1523年 (ルーヴル美術館蔵)


ヴァン・ダイク 『王子ウィレム2世と メアリー・スチュアート』 1641年 (アムステルダム国立美術館)

オランダ総督であったオラニエ家のウィレム(15歳)と、英国王チャールズ1世の長女メアリー(10歳)の結婚を記念して作成されたもの。
オラニエ家側からの注文ということから、王室との婚姻を世間に知らしめしたいという意図もあったのでないか、といわれています。
ウィレムは24歳で、メアリーは29歳で夭折しましたが、ふたりの息子・ウィリアム3世は後に王位に就きました。

画家の晩年42歳の時の作品で、今までよりもずっと精緻な筆致で、私の一番好きな作品です(^^)

15歳と10歳の結婚だなんて、おままごとみたいで微笑ましいですね。
新婦の指にはちゃんとマリッジリングがはめられています♪
裏では、大人たちの画策や思惑があったにせよ、今日のふたりは穏やかな幸せに包まれているように見えます。
恋することがどんなことなのか、きっとまだよく知らないまま結婚したのでしょうが、その後はお子さんにも恵まれたとのことですから、画中でのとおり、互いに手を携えて仲睦まじく人生を送ったのでしょう。


ヴァン・ダイク 『William 2 of Nassau and Orange』 1621~1641年 所蔵美術館不明

もうひとつみつけた! ウィレム王子! なんて、美男子!
…ああ王子、あなたの4,5年先のお姿を見てみたいです…   (←出た)

昨年の8月に美男子探しのため…(違)、美術鑑賞のためパリに旅行し、ルーヴル美術館で、素敵な作品を見つけて写真を撮ってきました↓


ヴァン・ダイク 『Duke of Bavaria and His Brother, Duke of Cumberland』 1621~1641年 (ルーヴル美術館蔵)

ババリア=バイエルンですから、ドイツの貴族のようです、…実はまだ詳しくは調べてません(;^^)

今回の美術展では、ヴァン・ダイクの作品の他、風俗画を得意とし、素朴で生き生きとした人物を描くフランドルの画家ヨルダーンスや、古典主義の風景画家クロード・ロランの作品も展示されているそうです。

公式サイト→http://event.yomiuri.co.jp/prado/


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