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映画 『ブロークバック・マウンテン』 [映画 は行 *Movie]

オリジナル・サウンドトラック~ブロークバック・マウンテン

オリジナル・サウンドトラック~ブロークバック・マウンテン

  • アーティスト: サントラ, グスタヴォ・サンタオラージャ, ウィリー・ネルソン, ボブ・ディラン, エミルー・ハリス, バーニー・トーピン, テディ・トンプソン, ルーファス・ウェインライト, ロジャー・ミラー
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2006/02/15
  • メディア: CD


*監督* アン・リー
*脚本* ラリー・マクマートリー
      ダイアナ・オサナ
*原作* アニー・プルー
*音楽* グスターボ・サンタオラヤ
*出演* ヒース・レンジャー :イニス
      ジェイク・ギレンホール :ジャック
      ミシェル・ウィリアムズ :アルマ
      アン・ハサウェイ :ラリーン
      ランディ・クエイド :アギーレ
2005年 アメリカ

*あらすじ*
1963年、ワイオミング州のブロークバック・マウンテンで、二人の青年イニスとジャックは季節労働者として雇われ働くうちに、いつしか互いの心に友情を超えた感情が芽生えます。
労働が終わり二人は別れた後、それぞれ家庭を持ちましたが、4年後ジャックからの連絡により、
再会を果たし、以後20年に渡って逢瀬を重ねるのでした。
2005年度ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞、2006年アカデミー賞3部門受賞作品。

                         ****

何かと話題のBBM、ようやく観てきました。
多くの皆さんのお話を聞いてからだったので、このシーンであの人はこんなこと言っていたな~、なんて、ところどころ楽しく思い出しながら観てました。

事前にトレイラーや写真を観て、大自然の映像がとても美しかったので、それも楽しみの一つでした。
山の雪解け水なのでしょうか、エメラルドクリーンに白を混ぜたような川の色、切り立った山々と夏らしいモクモクと湧きあがる雲、そしてジャックがイニスの野営地の灯りを見下ろす時の満月の夜、これはクラウゼン・ダールの描いた夜景のようでとても印象に残っています。

『満月のドレスデン』 1839年

自然の中で暮らせるのは気分も爽快で楽しそうだなと思いつつ、暫く眺めていると、ふと心細く感じるようになりました。
劇中ではアコースティックギターの音色が余計そう感じさせたのかも知れません。
エンディングのウィリー・ネルソンの歌も良かったですね~、あの切ない結末の後に感傷に浸る、余韻を味わうことができる曲でした。
…お話戻りまして、そんな大自然での二人きりの状況での寂しさも手伝って急速に求め合うようになったのでしょう。
ひと夏の仕事を終えて別れた時の、イニスが素直になれない気持ちをぶつけるシーンが激しくてびっくりしました。
原作では吐き気をもよおすのだそうですが、その気分わかります、相当のショックを受けるとそうなりますよね。
出会った頃はそっけなくて寡黙だったイニス…そういう人ほど、心を開くと驚くほど情熱的だったりするんですよね。

それにしても、4年間も会わずにいたのに、変わらず想い続けていたなんて凄いです。
妻・アルマとラリーンの立場からすると、その間、自分は一体なんだったのか? 
大げさにいうと、子供を作る道具に過ぎなかったのでは?と考えてしまいそうです。
彼らの間が友情だけなら、年にもしくは月に数回夫が外出しても“亭主元気で留守がいい”かも知れませんが、愛情があるとなると、妻として女性としてのプライドも許さないでしょうし我慢ならないでしょう。
アルマは同性愛についてどれほどの偏見があったのか、もしかしたら無かったのかどうか…そこも知りたい部分でした、しかし私にはよく読み取れませんでした。
時代が時代ですから、多分偏見があった可能性が高いと思いますが、だとしたら、嫉妬だけではすまないほど苦しんだのではないでしょうか。

ジャックの両親も、イニスを許してくれたのかどうか…複雑な心境であるのか、グッと感情を押し殺しているような姿が涙を誘いました。

パンフレットは写真と記事が満載で、とても読みごたえがありました。
巻頭から写真がいくつも載っていて、眺めていると次第に感動が蘇ってきます。
そして最後のこの写真が泣かせますね~。

イニスのシャツが上になっているんですよね、これは“ようやく…”ってことですね(T^T)


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コメント 4

TOMCAT

そう、この映画は複線が読みきれなくて、単体の映画とするとあまりに不完全です。
その2時間でどれだけのものを詰めるか、どれだけの感情のほとばしりを伝えるl事が出来るかという点で私はあまりに不完全だったと思います。
カポーティが絶賛された意味が両方を見るとわかると思います。

BbMの原作を読んでいる人にしかわからない複線を新たに探るのも・・今は出来そうにないし・・しばらくしてから本を読んでもいいかもねぇ・・
モーリスにおいてはノベルのほうが断然よかったですけどね(笑)

DVD取り寄せて見ましたけど、何度見ても腑に落ちない点が多すぎますわ・・
同じ待ちのお話だった、ディファレントフォガールズの方が、ストレートに伝わって私は好きです。
ヒースの朴訥としたイメージはよかったんですけどねぇ・・
・・・と相変わらずメローな否定派やってます。
トラックバックしたいんですけど・・できるか・・不安(笑)
by TOMCAT (2006-04-24 17:02) 

ミカエラ

TOMCATさん、こんにちは(^^)

コメント&TBありがとうございます~。
TOMCATさんのQAFの方のブログに感想を書かれたのですね、見慣れない長文の記事だったのでビックリしました(笑)
また、後でじっくり読ませていただいて、私もコメント&TBさせていただきますね♪

>>この映画は複線が読みきれなくて、
↑ 以前TOMCATさんのブログでもそう仰ってましたね、覚えてます。
TOMCATさんの言いたいこことは違うかもですが、実は私も理解できなかった部分がいくつかありました(;^^)
例えば、ジャックはもともと同性愛者としての自覚が無い人だと思っていたのですが、実は自覚があったのですね。
皆さんの感想を拝読していて気がつきました。
でもそれって、劇中で初めから周知の事柄でしたっけ、どこで分かったのでしょう。
例えばジャックの側でイニスが裸で着替えてる(でしたっけ?)場面とか、チラリと見やるわけでもなかったですし…。

原作本は驚くほど文字が大きくて、ページ数も少ないと驚いている人が沢山いますね。
でも感動したという人が結構多いのです。

>>ヒースの朴訥としたイメージはよかったんですけどねぇ・・
↑ でもイニスは怒らせると、かな~り強くて恐ろしかったですね、あの花火の場所取りのシーンとか(>。<)
by ミカエラ (2006-04-25 04:26) 

カポ

こんばんは~(^^ゞ)
昨夜、TBして その後コメントを書かせてもらって ポチっと押したら・・
なんと、メンテナンスの画面が出てきて せっかく書いたコメントがぁぁぁ(泣)(笑)
という訳で 改めてコメントさせてもらいに伺いました~

この映画を観終わって思い出したのが やはりアン・リー作品の「グリーンデスティニー」のラストシーンでした。
もぉ、とにかく切なくて切なくて・・、この作品も「グリーンデスティニー」に通じるような東洋的な余韻を残す作品かもしれないと思いました。
たまたま男性同士の愛を描いた作品だったけれど 私にはどうみても性別を超越した純愛にしか見えない!?(笑)
その上不倫だし、周囲の理解が得られないほどに燃え上がる想いって どんなカップルでも同じですよね。
最も男らしい象徴ともいうべきカウボーイの同性愛というところに着目したアン・リー監督はさすがというべきかもしれませんね。
こういうシチュエーションではありましたが とにかくBBMの雄大さが二人の想いを優しく包み込むような気がして そういうところも印象的な作品でした。

最後に貼っていらっしゃる二枚重ねのシャツ、イニスじゃないけどグッと来ますね(^^ゞ)
by カポ (2006-05-16 00:24) 

ミカエラ

カポさん、こんにちは(^^)

TBありがとうございました♪

>>せっかく書いたコメントがぁぁぁ(泣)(笑)
↑ この前もそういうことがありましたよね、本当に申し訳ないです~!!
これに懲りずに、たまには遊びに来てくださいませm(_ _)m

>>私にはどうみても性別を超越した純愛にしか見えない!?(笑)
↑ 私もそうでしたよ~、元々男性同士の恋愛に抵抗が無いということもありましたが、でもそれなりに意識して見に行ったつもりなのですけれど、二人が初めて結ばれるシーンなどは、とても自然に思えました。
心と心が求め合あうとは、性別など関係ないのですよね、そう強く感じました。

>>とにかくBBMの雄大さが二人の想いを優しく包み込むような気がして そういうところも印象的な作品でした。
↑ 本当に素晴らしい景観でしたね~(☆。☆)
特にイニスは、カポさん仰るように、BBMの雄大さに抱かれたおかげで、真の魂を開放できたという感じでしょうか。
そうだ! 意中の人とは山に行こう! (違)

>>最後に貼っていらっしゃる二枚重ねのシャツ、イニスじゃないけどグッと来ますね(^^ゞ)
↑ ジャックがいじらしくてしかたがありませんでした、そして、その後、イニスがとっさにとった行動も、その気持ち分ります、私もよくやるので…(えええ!?)
by ミカエラ (2006-05-16 16:51) 

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