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映画 『嘆きのテレーズ』 [映画 な行 *Movie]

嘆きのテレーズ

嘆きのテレーズ

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2003/03/04
  • メディア: DVD

*監督* マルセル・カルネ
*脚本* マルセル・カルネ
*原作* エミール・ゾラ
*出演* シモーヌ・シニョレ: テレーズ
     ラフ・ヴァローネ: ローラン
     ジャック・デュビー: 夫・カミーユ
1952年 フランス

*あらすじ*
フランスのリヨンの下町で、テレーズは元来病弱な夫と、何かと辛く当たる義母との暗い生活を送っていました。
ある日、夫を送って来た魅力的な男性・ロランと出会い、二人は愛し合うようになります。
ロランは駆け落ちを迫りましたが、テレーズは夫との話し合いを望み、夫とともに汽車でパリへと向かいました。
しかし、途中から乗り込んできたロランと夫とがもみ合いとなり、夫は汽車から転落死してしまいます。
自首しようとしたロランに対し、テレーズはある決断をします…。
エミール・ゾラの原作『テレーズ・ラカン』を、『天井桟敷の人々』のマルセル・カルネ監督が映画化した作品。
                       ****

イヴ・モンタン夫人でもあったシモーヌ・シニョレ…彼女の映画は何作か観たことがありますが、彼女は決して美人ではないですよね?(おそるおそる)
昔のフランスの女優さん=美しい というイメージがつきまとっているので、必死に美人だと思い込もうとしましたが、…今回ついに挫折しました(笑)

しかし、義母と夫との暗い生活に諦めきっている姿(耐えているというよりそう見えた)や、愛人が夫を殺害してしまった後に冷酷な判断を下すあたりは、独特の憂鬱さが出ていてよかったと思います。

それにしても実に救いようがない、嘆かわしい物語でした。

不倫をして夫を裏切ったテレーズと愛人ロラン、嫁を認めようせず冷たく当たる義母、母の言いなりで妻を顧みようともせずにただ束縛しようとする夫、テレーズの秘密を握って強請ろうとした男…全ての登場人物がそれぞれの罪により罰を受けたというところでしょうか、そう戒めとして考えればまあまあ諦めがつきますが、6年間も辛い生活を我慢してきたテレーズを想うと、あのラストはやりきれない気持ちでいっぱいでした。

傲慢な義母とマザコン夫との生活の中で、テレーズは諦め切ってしまっている様子が歯がゆかったですね。
…多分それは、シニョレの風貌が逞しいというのか、ガッツがあるように見えてしまったからなのでしょう(笑)
頼れる姐さん風に見えるので、今にも闘い出しそうに見えたのでした。

愛情も魅力も無い夫或いは男性と、ひとつ屋根の下に住むというのはどういう心境なのでしょうか…想像するだけでゾッとします。
だから、ある日テレーズの目の前に、魅力的な男性が現れた時はその気持ちを抑えられなくて当然でしょう。
…けれど、いまひとつその喜びが感じられなかった…多分それは、私にはロラン、つまりラフ・バローネに魅力を感じなかったので、感情移入できなかったというのもひとつの理由です(ゴメンナサイ~)
ロランが、同じくカルネ監督作品の『愛人ジュリエット』のジェラール・フィリップさまだったら、うっとりと夢心地を味わえたでしょうね~(妄想中)

それから、お金をゆすり取ろうとしていた水兵の男性ですが、可愛い顔して冷酷で心底憎たらしかったけれど、実は素朴な夢を追っていた青年の姿を垣間見せ、ホロリとさせるところもよかったです。

皆それぞれが、幸せになりたいと思って生きている姿はとてもけなげでその思いを責めることはできません。
しかし、自分の保身や利益だけを考えていると、ああいうことになる、という、やはり戒めに思えてしまいました。

愛人ジュリエット

愛人ジュリエット

  • 出版社/メーカー: ビデオメーカー
  • 発売日: 2003/05/23
  • メディア: DVD


同じくマルセル・カルネ監督作品。
恋人のために盗みをはたらき、投獄された青年が、夢の中の世界を恋人の面影を追い求めてさまよう物語。
ジェラール・フィリップさまの憂いを帯びた甘美なムードを堪能できる幻想的な映画です。


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カポ

こんばんは~
この映画、本当にシンドイ内容ですね。(^^;)
あのご主人にあの姑、確か37度代の熱で大騒ぎしている息子をヨシヨシする母子でしたよね、なんだかねぇ~(笑)
それにしてもシニョレさんは どの作品でも腹の据わった女性という印象がありますね。
彼女ってドイツ人なんだけど 若くてスリムだった頃の彼女は どこかロミー・シュナイダーに似ていると思うのは私だけでしょうか?(^^;)
それから お気付きになられたかしら、あの水兵さんなんですが。
彼は「愛人ジュリエット」の中で 忘却の村の森のダンスシーンの時、ちょっとだけどキラっと光る若者役で出ていましたね。
ひょっとしてカルネ監督のお気に入りなのかなぁ。。なんて想像しました。
それから ラフ・バローネに魅力を感じなかった・・というコメントに納得!(^^;)
本当は素敵なイタリアンなんだけど きっとミカエラさんも私もタイプじゃないのよね、ジェジェとは対極の印象ですもの。
でも あのダンナさんよりはマシですが!!(笑)
by カポ (2006-05-15 00:47) 

ミカエラ

カポさん、こんにちは♪

体調はいかがですか?
万全ではないようですのに、コメントありがとうございます。

シニョレとロミー・シュナイダー! そういえば似てますね、気がつきませんでした。
どちらもドイツ人でしたか…二人とも芯の強い女性というイメージですね~。

>>それにしてもシニョレさんは どの作品でも腹の据わった女性という印象がありますね
↑ 私は『燃えつきた納屋』と『肉体の冠』を観ました。
特に前者は最後まで家族を守ろうとする肝っ玉かあさんで、アラン・ドロンが演じる刑事との対決が見ものでした。
『帰らざる河』も持ってるので、あとで見てみようと思います(^^)

>>彼は「愛人ジュリエット」の中で 忘却の村の森のダンスシーンの時、ちょっとだけどキラっと光る若者役で出ていましたね。
↑ おお、そうだったのですか(@。@) 最近TVで放映されていたので、一年ぶりくらいにもう一度観てみたのですが気がつきませんでした、水兵さん、なかなか可愛いルックスでしたよね。

そうそう、先日ジェジェ様の『夜ごとの美女』を初めて見ました、ずっと見たかったのでとても嬉しかったです。
ジェジェ様が、完璧にコメディに徹していて本当に楽しい映画ですね!
by ミカエラ (2006-05-15 19:17) 

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