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美術 プラド美術館展 の予習② [美術*Art]

3/25(土)~東京都美術館で開催中のプラド美術館展の予習の2回目です。
今回は4つのカテゴリーのうちの第2章、16、17世紀のイタリア絵画についてです。
しかしかなり脱線していますのであしからず~。


ティツィアーノ  『皇帝カール5世と猟犬』 1533年

犬は忠誠心の象徴であり、人物の傍らに従順に座らせることにより、画家をはじめとする家臣たちの忠誠心を表しているのだそうです。


ベラスケス  『狩猟服姿の枢機卿フェルナンド』 1635~36年頃 
(今回の展示作品ではありません)

あら♪ 美男子♪


ティツィアーノ  『アモールと音楽にくつろぐヴィーナス』 1555年

神聖ローマ皇帝カール5世の依頼で描いた作品。 オルガン奏者は皇帝の息子で後のスペイン王・フェリペ2世の姿とも言われています。
旅嫌いであったため、生涯イタリアを離れることなく過ごしたティツィアーノは、フェラーラ、ゴンザーガ等の貴族、教皇、そしてカール5世とフェリペ2世に寵愛され、爵位や騎士の称号を与えられるなどの名誉を授かった画家でした。
ミケランジェロは、彼の素描力の無さを嘆いたとのことですが、この画家がこれほどまでに成功したのは色彩の豊かさや躍動感溢れる描写のためと言われています。
ウフィッツィ美術館の『ウルビーノのヴィーナス』や、エルミタージュ美術館の『懺悔するマグダラのマリア』を目の当たりにした時の艶かしさには目を見張るものがありました。
そんな肉感的な女性の描写も成功を収めた一因であるのではないでしょうか。


『ウルビーノのヴィーナス』 1538年 (ウフィッツィ美術館蔵)

やわらか~い光を放っており、触れれば温かそうな裸体が生気を感じさせる作品でした。


『懺悔するマグダラのマリア』 1560年頃 (エルミタージュ美術館蔵)

この絵では小さくてわかりませんが、涙が溢れてこぼれ落ちそうなところとかとてもリアルでドラマチック、目も赤く泣きはらしていて心から懺悔している気持ちが伝わってくる作品でした(;_;)

その他、アモール(キューピッド)とヴィーナスを主題としたもので私がお気に入りなのは…


ブロンズィーノ  『愛の寓意』 1545年頃 (ロンドン・ナショナルギャラリー蔵)

アモールはヴィーナスの息子ですが…これはどう見ても愛人…(;^^)


クラナハ  『ヴィーナスと蜂の巣を持つキューピッド』 1531年頃 (ボルゲーゼ美術館蔵)

クラナハの描くヴィーナスはスレンダーでスタイル抜群なので、愛好家が多かったとか…。
同じ主題で描かれたものがいくつも残っています。
帽子をかぶったファッショナブルで、妖しい魅力を放つヴィーナスと、コミカルな表情のキューピッドがセットになっているところが面白くて大好きです(*^^*)
蜂に刺されて母(ヴィーナス)に救いを求めているキューピッドの姿に、“快楽には苦痛が伴う”という教訓が込められています。


ティツィアーノ  『サロメ』 1555年

ユダヤの王女サロメが七つのヴェールの踊りを美しく舞った褒美として、預言者ヨカナーン(ヨハネ)の首を王であるエロドに所望したという物語から描かれたもの。
…ティツィアーノのものは、私には毒々しさが感じられないので、あまり心を動かされません(;^^)


ビアズリー  『舞姫の褒美』 と 『最高潮』

オスカー・ワイルドの戯曲の挿絵として描かれたもの。
主題が主題ですからこれくらい、奇奇怪怪としていないと!
しかし、つい先日、もっとグロテスクな『サロメ』を見つけてしまいました↓


シュトゥック  『サロメ』 1906年 (レンバッハハウス美術館蔵)

初めて観た時は、クリムトかクノップフの絵かと思いました。
シュトゥックはドイツ出身でミュンヘン分離派を創設、クリムトらが属したウィーン分離派のモデルとなりました。
どちらも世紀末美術ということで、デカダンス~な作風が似ていますね。
サロメが褒美を貰って恍惚として踊る姿が狂気に満ちていて恐ろしい…。

ギュスターヴ・モローの作品なども有名で、神秘的で素晴らしいですが、私の知っている限りでは、この絵が一番物語のイメージに近いと思うのでとても気に入りました。

その他、今回の美術展では、ティツィアーノと同じ工房の兄弟子であったジョルダーノや、彼らと同じくヴェネツィア派のヴェロネーゼ、そしてルーベンスの作品も展示されているそうです。

プラド美術館展公式サイト→http://event.yomiuri.co.jp/prado/


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TOMCAT

美術は疎いんですが、ブロンツィーノの愛の寓意はエロイカで出てきましたよねぇ・・・
ほんと好みの画家って、正直言ってアンモティマーさんとカラヴァッジオなので、めちゃくちゃです。
あはは・・話にならないっすね。
by TOMCAT (2006-04-13 16:22) 

pamela

営業を怠ってるので、いかん!!!と思い、ココまで這ってきました。
己は絵を描くのに、美術にゃ疎い私です。殆ど漫画で育ってますので。(低レベル)
ミカエラさんはホントにお詳しいし、興味を持たれる度合いが違うんですよね。少し見習わないとダメだわ。(^_^;)

下で描かれてるPaul Bocheくん、美しいですね!
どんどん腕をあげてらっしゃるのも判るし、インパクト(絵に迫力がある)もあって素晴らしいです。
刺激もらいました。(~~)
by pamela (2006-04-13 21:08) 

ミカエラ

TOMCATさん、こんばんは♪

エロイカって『エロイカより愛をこめて』でしょうか、読んでる方ってたくさん居ますね。
うちの近所のTUTAYAも最近、漫画のレンタルを始めましたので今度借りてみようかな~。

カラヴァッジオはドラマチックな絵を描きますよね、人生もドラマチックだったらしいですが。
彼の絵は今回来てないのですが、彼に影響を受けたと言われる、ホセ・デ・リベラとスルバランの絵は展示されているそうです。
リベラの絵が観られます(^^)↓
http://www.wga.hu/frames-e.html?/html/p/paret/charles3.html
by ミカエラ (2006-04-15 01:29) 

ミカエラ

pame師匠、こんばんは♪

営業、ご苦労様です! (←敬礼!・笑)

>>殆ど漫画で育ってますので
↑ 実は私も師匠と同じく、子供の頃、漫画家になりたかったんですよ~(^m^)
でも、これまた師匠と同じく、物語を考えるのが面倒なので(というか思いつかないので・笑)あっさり断念しました。

Paul Bocheの絵も観ていただいて恐縮&嬉しいですv
師匠のように、妖しくて美しい力強さを表現したいのですが、単に“怒っている”ようにしか見えないところが悲しいです(笑)
by ミカエラ (2006-04-15 01:31) 

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