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世界バレエフェスティバル *Bプロ* [バレエ*Ballet]

↑ 今回のバレエフェスティバルで配られていたうちわです。
“祭”って…狙ってつけたのですよね、もし狙ってなかったら怖いです(笑)

Aプログラムに引き続き、Bプログラムを観賞してきました。

8月9日(水) 東京文化会館 Bプログラム 18:00開演

■ ディアナとアクティオン ■
ヴィエングセイ・ヴァルデス
ロメル・フロメタ

Aプロのトリで、素晴らしいドン・キで場内を湧かせた二人が、今度はギリシャ神話を題材とした演目で、一番最初に登場しました。
ドン・キでは情熱的で爆発したように踊り、今回は沈黙の中に物語を饒舌に表現した、これもまた素晴らしい演技だったと思います。
ヴァルデスは、“月と狩猟の女神”に相応しく、美しくて力強い姿がキャラに合っていましたが、フロメタは王子様(もしくはディアナによって変えられた牡鹿)というよりも、“ターザン”を思い浮かべてしまいました(^m^)
しかしとても野性味溢れる踊りで素敵でした。ディアナの弓を引くようなポーズも面白かったですね。

■ リーズの結婚 ■
エレーナ・テンチコワ
フィリップ・バランキエヴィッチ

すみません、バランキエヴィッチ君に見とれていて、テンチコワがどんなだったかよく覚えてません(;^^)
レニングラードバレエのシェスタコワちゃんがリーズを演じたら可愛いでしょうね~(*´v`*) 『ジゼル』の村娘姿がよかったので。
この演目の農夫・コーラスは、花柄のベストに黄色いパンツという衣装とか、おきゃんな感じとか、バランキエヴィッチ君をとても魅力的に見せる役柄だと思います…って私の好みということもありますが(笑)
来日公演したロミジュリも、Aプロのオネーギンも良かったけれど、こういうにこやかに踊る彼が好きです。

■ 幻想 “白鳥の湖”のように 第一幕のパ・ド・ドゥ ■
ジョエル・ブーローニュ
アレクサンドル・リアブコ

通常の『白鳥…』のジークフリート王子を、ルートヴィヒ2世に置き換えたという設定自体が、私にとってはもう涙ものです!
以前一度だけ、TVでハンブルグバレエのイリ・ブベニチェクが踊ったのを観てとても感動したのでした。
確かルートヴィヒが自分の幻影に恋してしまうというストーリーだったと思うのですが…。
この第一幕のパ・ド・ドゥは、ルートヴィヒと婚約者ゾフィーとのパ・ド・ドゥでしょうか、婚約したものの、どうしてもゾフィーを愛することができない苦悩が見事に表現されていたと思います。
ヴィスコンティ監督の映画『ルートヴィヒ』が大好きなので、どうしても比べてしまいますが、ワグナーを使っているので絶望的で重苦しい印象の映画よりも、チャイコフスキーのこの演目のほうが優美であると言えるでしょうか。


映画 『ルートヴィヒ』より

■ 海賊 ■
イリーナ・ドヴォロヴェンコ
ホセ・カレーニョ

もちろん、カリスマ・ルジ様のアリには抗いがたい魅力がありますが、ホセさんのアリも好きですね~。
なんというか、卑しさの中に美しさとか官能を感じるのですよね…つまり、私の常套句でございますが、ミケランジェロの『瀕死の奴隷』を観るときと同じです。
もし私がメドゥーラだったら、ルジ様@アリには図らずも平伏してしまいそうですが、ホセさん@アリは、自分の前にひざまずかせたいのです(≧▽≦)

■ “ロミオとジュリエット” より バルコニーのパ・ド・ドゥ ■
マイヤ・マッカテリ
デヴィッド・マッカテリ

待ってました~! 美形兄妹のラブラブなバルコニー! う~ん、背徳の香り… (T~T)え?
ジュリエットの髪を覆うネットが古典的で良かったと思います、でもロミオはマントを持っていなかったので、マントを優雅に翻して立ち去る姿が大好きな私にはちょっと残念でした。
演技はいまひとつ物足りなかったでしょうか…人を感嘆させるって難しいですね。

■ カルメン ■
ガリーナ・ステパネンコ
アンドレイ・メルクーリエフ

大好きなステパネンコですし、いかにもスペインの踊り子風という衣装で、曲はハバネラという分かりやすいものであったものの、私にはあまり面白くなかったです(T_T)ごめんなさい。
今回はAプロのほうが独創的でよかったです。いつもはこういうコテコテなほうが好みなのですが、私をそう感じさせるとはプティって凄い!(←何様発言)
しかし、メルクーリエフのヴァリエーションに『花の歌』を使ったら、こちらのほうがいいと思ったかも!(…え)

■ チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ ■
アリーナ・コジョカル
ヨハン・コボー

この演目は『白鳥の湖』で使われなかった曲に、バランシンが独立した作品として振付けたものなのだそうで、物語の一部分でもないし、何かにインスパイアされて作り出されたものでもないようですし、どのように解釈して観賞すればいいのかといつも思ってしまいます…考えすぎですか(笑)
まあ、大好きなコジョカルちゃんが、美しく軽やかに素晴らしいテクニックを見せてくれるということを楽しめばいいのですよね♪

■ “白鳥の湖” より 黒鳥のパ・ド・ドゥ ■
ポリーナ・セミオノワ
フリーデマン・フォーゲル

セミオノワってこういうお顔だったっけ!? と思うほど怖い…(違)、妖艶な姿で登場したので驚きました。
くるみやシンデレラの可憐な少女の印象が強いのですが、悪魔的な表情も上手いのですね~(@。@)
二面性を見事に表現できて素晴らしいダンサーだと思いました。
さすがはマラーホフ王子の秘蔵っ子ですね。

■ 眠れる森の美女 ■
ルシンダ・ダン
マシュー・ローレンス

このパ・ド・ドゥも、黒鳥のパ・ド・ドゥの次に好きです。
黒鳥とドン・キとこれと、“型”が好きなんですよね…結局、プティパが好きなのね(;^^)
マシュー・ローレンスは、私には今回は力を抑えて踊っているように見えましたが…。

■ “椿姫” より 第二幕のパ・ド・ドゥ ■
オレリー・デュポン
マニュエル・ルグリ

Bプロではこの演目が一番良かったです。
とにかくこのふたりの演技は詩情豊かですよね、踊っていると言うよりも、謳い上げるというのか奏でるというのか流れるように美しい…。
オレリーがポワントするのを見て、これがバレエであることに改めて気づかされる状態だったのです。
それにオレリーは、例えばロセッティなどのラファエル前派の絵画から、そのまま抜け出してきたようで、本当に綺麗でした。


ロセッティ画 『レディ・リリス』

ショパンのピアノ曲だけで踊るので、サンドとショパンの語らいを起草させるものでもありました。

■ “ジュエルズ” より “ダイヤモンド” ■
ディアナ・ヴィシニョーワ
ウラジーミル・マラーホフ

ずっと憧れていたジュエルズをAプロではルテステュ&マルティネス、そしてBプロではヴィシニョーワとマラーホフというお気に入りのダンサーで観られるとは、本当に幸せでした(^^)
甲乙付けがたく、とちらも素敵でしたが、強いて言うならルテステュ達のほうが良かったですかね~。
あの研ぎ澄まされた冷たい輝きが、“ダイヤモンド”というイメージに相応しかったと思うのです。
ヴィシニョーワの衣装は真っ白ではなくて、ベージュっぽくて温かみがあったので、イエローダイヤモンドといったところでしょうか。
マラーホフ王子は、無表情で踊るより、感情豊かに踊る演技のほうが魅力的です。

■ 孤独 ■
ジル・ロマン

できることなら、私生活を知るべくお友達になって、一緒にお食事したり映画観たりして語らいたいけれど、世界が違いすぎて話が合わないだろうな~、と思われるジル・ロマン(長)
マイムがコミカルでおどけているように見えることから、道化を表しているのかなと思いました。
ということで、私にとってはヴァトーの絵画の『ピエロ (ジル)』のイメージです。
名前も一緒だし(笑) 道化師は、度々“孤独”のメタファーとして表されることがありますものね。


ヴァトー画 『ピエロ (ジル)』

■ “椿姫” より 第三幕のパ・ド・ドゥ ■
シルヴィ・ギエム
ニコラ・ル・リッシュ

AプロでもBプロでも、いくつもこんなに素晴らしい椿姫を見せられているうちに、それまであまり良さの分からなかった映画やオペラをもう一度観てみたい気分になってきました。
Aプロでの『TWO』では、マニッシュでかっこいいギエムが観れたし、今回は打って変わって愛に苦しむ女性を熱演する彼女が観れて嬉しかったです。

■ ドリーブ組曲 ■
アニエス・ルテステュ
ジョゼ・マルティネス

マルティネスが振付で、ルテステュが衣装デザインした作品だそうで、まさしく自分たちが作り上げたバレエを大舞台で披露できるなんて最高でしょうね~♪
ベロアにミッソーニ風の切り替えと、網目を施した衣装がオシャレでした。
ふたりとも、手足が長くて、そこに居るだけで美しい…言うことなしです(^^)

■ 三人姉妹 ■
タマラ・ロホ
イナキ・ウルレザーガ

クラシックチュチュ以外のロホは初めて見ました。
ドラマティックな悲恋ものは、先に最高峰の2つの“椿姫”を見せられた後でしたので、彼らはちょっと不運だったかもしれません(←遠まわし~)
ウルレザーガの衣装が、床の色と同化しているようだったのも残念ですね(;^^)
しかし、踊りづらいのではないかと思われるような洋服だったのに、それを感じさせない動きで素晴らしかったです。

■ “マノン” より 沼地のパ・ド・ドゥ ■
アレッサンドラ・フェリ
ロバート・テューズリー

“沼地”は盛り上がりますね~、これをトリに持ってきても良かったのではないでしょうか(←遠まわし~・再)
慣例は無視できないかしら…。
テューズリーは、デ・グリューが当たり役なのでしょうか、ロマンティックな正統派で、Aプロのマラーホフのデ・グリューに負けず劣らず涙を誘うドラマティックな演技でした(p_;)
英国ロイヤルバレエで来日して、ジョナサン・コープの代わりに踊ったときの感動がよみがえりました、この時も素晴らしかったです。

■ ドン・キホーテ ■
レティシア・オリヴェイラ
ズデネク・コンヴァリーナ

比べてはいけないかも知れませんが、明らかにAプロの二人のほうが盛り上がったし、テクニックも上でしたよね(;^^)
そもそも、衣装とキトリの扇子の色が曖昧なのも、個人的には良くなかったと思います。
今回のキトリはちょっと奇をてらった仕草を見せてましたが、あまりサマになってなかったですし…。
とにかく、ラテンのキューバペアが素晴らしかったのですよね、そんなふたりに対抗して、例えばステパネンコとウヴァーロフが踊ったらどうだったろうと想像してしまいました。
しかし、今回の組も、カーテンコールでバジルがキトリの扇子をヒョイっと取り上げてしまうなど、お茶目なパフォーマンスで笑わせてくれて楽しかったです(^^) お疲れ様でした。

全ての演技が終わった後の、一同によるカーテンコールで、そうそうたる一流ダンサーたちを見ると、改めて豪華なステージだということに実感が湧いて、身に余る光栄と言うのか喜びに身が震えました。
もう今夜でお別れかと思うと辛かったですけれど…。
大舞台を終えたダンサーたちの、演技中とは違ったナチュラルな笑顔を見ていると、「ブラボー!」というより、「サンキュー!」と声を掛けたくなりました。
AプロBプロ合わせて2日間の夢のようなひとときを、ずっと忘れないでおこうと思います(^^)


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kenta-ok

幻想「白鳥の湖」なるものを一度鑑賞したいです。
by kenta-ok (2006-08-16 21:50) 

ミカエラ

■kenta-okさん、こんにちは♪
ナイスとコメントありがとうございます、せっかくいただきましたのに、パソコンが故障中だったものですから、お返事が遅くなりましてすみませんでしたm(_ _)m

『幻想~白鳥の湖のように』は、髪型や髭、衣装もルートヴィヒそっくりにして演じるのです。
舞台装置も幻想的でとても素敵でした(^^)
全幕の来日公演があるといいですね~。
by ミカエラ (2006-09-12 14:48) 

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