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ドレスデン国立美術館展 [美術*Art]


↑ルイ・ド・シルヴェストル 『馬に乗るアウグスト強王』
17世紀末、強王と呼ばれたアウグスト1世は、歴代ザクセン公が収集してきた絵画コレクションをより充実させ、ツヴィンガー宮殿に絵画館を設立。その後国立美術館として公共化されたのが、ドレスデン国立美術館です。
http://www.nikkei-events.jp/dresden/index.html


↑『ローズカットダイヤモンド装身具一式』
靴の留め具やボタン、肩章などが豪華なダイヤでできています。
特に大粒なボタンは、どーしてもガラス玉に見えてしまって仕方がありませんでした(笑)
きっと普段見慣れていないので、ダイヤだという実感が湧かなかったのです。
以前ある美術館で、馬車の車輪にダイヤモンドがついているのを見たときも、実感が湧きませんでした。
「ひとつくらい取っていっても大丈夫かも…」(←いけません、犯罪です(;^^))

↑『戴冠の祝宴のためのアウグスト強王の礼服』
これの傍に、ルイ14世から贈られたという銀糸で飾られた鞍もあったのですが、これも色あせてしまっていました。
当時は鮮やかな紅色のビロードに銀糸の刺繍がさぞかし美しかったことでしょう。
今、それを見ることができない事を考えると、当時の宮廷画家などが精緻に描いた肖像画がとても貴重に思えてきます。
画家たちは、単に注文されたから描くのではなくて、いつまでも永遠にこの美しさを残しておきたい、後世に伝えたいと思いながら描いていたかも知れないですね。

↑ (左)有田『蒔絵瓶』 (右)マイセン
この他にも、有田焼とマイセン窯の作品が並べて展示してありました。
外国の陶磁器を見たり集めたりするのが大好きなので、マイセンの作品をとても楽しみにしていたのですが、何故か、有田焼の方に強く惹かれました。
それは私がやっぱり日本人だからかしら、マイセンは模倣だからでしょうか(@。@)
有田の方が図柄が綺麗で調和がとれているし、とても丁寧に絵付けしてありました。
いずれにしても、天下のマイセンが、日本の焼き物を手本にしたということは、日本人として鼻が高いですね。
外国かぶれの私が、マイセンをいそいそと見に行って、日本の文化の素晴らしさを思い知らされてしまったのでした(;^^)

http://www.wga.hu/frames-e.html?/html/v/vermeer/02a/06gread.html
フェルメール 『窓辺で手紙を読む若い女』
この作品は、レンブラント画だと勘違いされて購入されたものだそうです。
窓ガラスに、手紙を読む女性の姿がボーっと写り込んでいました。
ベッド?の上に果物が無造作に転がっているところをみると、果物の盆を持ったままあわてて部屋に入って来て、手紙を読み始めたのかなあと想像してしまいました。

http://www.wga.hu/frames-e.html?/html/r/rembran/painting/z_other/ganymede.html
レンブラント 『ガニュメデスの誘拐』
本当に美少年だったの?と思うほど、くちゃくちゃに顔が歪んでいました(笑)
でも、手には赤い実を握っているところが、まだ幼い子供だということを実感させて、なんだかしんみり(´-`)
更に、洗浄してみて現れたという、子を連れ去られて両手を掲げて嘆いてる様子の母親の姿が哀れでした。
レンブラント自身も、幼いわが子を次々に亡くしたそうですから、絵に自らの体験を投影させたのかも知れませんね。
ユーモラスやら、悲しいやら複雑な気持ちのする絵でした。

あわせて国立西洋美術館の常設展も観てきました。
前にも行ったことがありましたが、入れ替えたのか、覚えてなかったのか分からないのですが、これほど素晴らしい絵があったのか!と驚いてしまいました。
例えば、クラナハ、ヴァザーリ、カルロ・クリヴェリのテンペラ画などなど。
それからヴァン・ダイク画のとっても大きな肖像画は実に威厳があって、失礼かも知れませんが、これは日本に在っていいのだろうか?と思ってしまうほど、場違いに感じました。


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コメント 6

Seiren

こちらに初めて失礼します。
ドレスデン国立美術館展素晴らしいですね。こちらに来ないかしらと調べてみましたが、来ないようです(^_^;)がっかり。

有田焼の名前が出たので嬉しくて書き込んでみました(^_^;)私の実家から、有田にはわりと近いのですが、『有田ポーセリンパーク』というところがあって、古伊万里・柿右衛門・鍋島藩窯様式をはじめ、江戸・明治の最盛期までの作品を展示しています。

九州に来られることもめったにないと思いますが、来られた際は行かれてみられてください。素敵ですよ。
by Seiren (2005-07-29 12:35) 

ミカエラ

Seirenさん、こんばんは♪

こちらにもコメントをありがとうございます~(^v^)

ドレスデン…残念ですね~、美術展がお好きなSeirenさんと是非お話ししたかったのにいい(涙)
北九州市に親戚がおりまして、九州には何度か行ったことがあるのですが、いつも長崎とか別府温泉とかです。
そういえばハウステンボスに柿右衛門のギャラリーがあったような…。
そうそう、いつも親戚に明太子を送ってもらってるのですが、こちらでは買えないような大きなものなんですよ。
いつもあんなおいしいのを食べてらっしゃるのであろう九州の皆さんが羨ましいです。
有田ポーセリングパークのご紹介ありがとうございます(^^)
お写真を見ましたが、豪華ですね!ツヴィンガー宮殿を模しているとか。
マイセンなどの海外の陶磁器も展示してあるのですね。
マイセンカップでお茶したい(どミーハー)
今回のドレスデン…で素晴らしい有田焼の他、古伊万里の立派な壺も展示してありました。
安物ですが、家で普段使いしている有田焼の食器が、急に素敵に見えてきました(笑)
by ミカエラ (2005-07-30 23:02) 

アイレ

はじめまして。
ドレスデン国立美術館展で出展されている「ガニュメデスの誘拐」について検索をしていたら、こちらにたどり着きました。なにげに有田焼とマイセンとの対比についての感想が私の感想と似ていらっしゃっていたので嬉しかったです。
こちらの記事と「ガニュメデス」に記事についてTBさせていただきました。
どうぞよろしくお願いします。
by アイレ (2005-08-01 01:24) 

ミカエラ

アイレさん、はじめまして、こんばんは(^^)

トラックバックありがとうございます!
展示のマイセンの作品は、大体が有田のものより約20年くらい後に作られたものではありましたが、それを鑑みてもやはり有田のほうが堂々たるものに見えました。
しかし模倣から始まったマイセンはその後、独自のスタイルを確立し、人々の心を捉えて放さない世界有数のブランドに発展したことは驚異的であり、素晴らしいことですね。
ベドガーも苦労した甲斐がありましたね~。
by ミカエラ (2005-08-01 22:58) 

みんちい

ミカエラさん こんばんは
こちらのサイトはいつも素敵な情報がいっぱいですね。

昨日は、会期終了間近の「ドレスデン」見に行って来ました。
こちらのBlog情報で、今回初めて常設展のすばらしいコレクションの数々にも出会うことができました。ルネッサンス以前の宗教画(私、大好きなのです)がまさかあるとは…近代の日本のものしか置いてないと思い込んでいたのです。
ミカエラさんのおかげです。ありがとうございます。

「ドレスデン」は最後にはもうおなかいっぱいというくらい、見るものがたくさんありましたが、「マイセン」と「有田焼」は興味深かったです。
お皿一枚比べても、東洋と西洋の「余白」に対する感性の違いが感じられるといいますか… 「硬質な西洋」と「柔かな東洋」といいいますか… 
あの当時、西洋の王様ですら認めた極東の「日本の美」 誇らしいです。
それにしても圧倒される豪奢な品の数々。さすがに疲れました~。
by みんちい (2005-09-15 00:11) 

ミカエラ

みんちいさん、こんばんは(^^)

お久しぶりですね。コメントありがとうございます、とても嬉しいです♪
ドレスデン美術館展、見ごたえがありましたよね~。
今思い出してみると、天下のマイセンさんが、日本の磁器の絵付けをを真似っこして描いているって、微笑ましいというかなんか可愛いいです(笑)

>>あの当時、西洋の王様ですら認めた極東の「日本の美」 誇らしいです。
↑今回の展示会を見て私もそう思いました(^ゝ^)←鼻高々~
以前、テレビでツヴィンガー宮殿を見たことがありますが、東洋磁器のコレクションはそんなに買ってどうするの?ってくらい沢山ありました。
今でも有名磁器ブランドはシノワズリシリーズ(中国趣味)を作ってますが、とても素敵で私も興味があります。
でもそういえば日本趣味って聞かないですね、ごっちゃになっちゃったんでしょうか(;^^)

常設展にも行かれたのですね。
ルネッサンス以前の宗教画というと、チマブーエとかジョットとかでしょうか。
私も好きです~♪ 人物像が堅いとかいわれますがそこが面白いですし、進化していく過程を見ていくのも楽しいですよね。
テンペラの宗教画からポロックなどの近代のものまで、所蔵品が幅広くて私も驚きました(@。@)
たまに入れ替えをするみたいですから、これからは特別展の度に訪れることにしようと思ってます、ただで入れますしね♪
by ミカエラ (2005-09-16 02:00) 

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