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パリ旅行 2006 *シャルトル編* [パリ2006*Paris]

パリに滞在中、一日だけシャルトルへ、プチ旅行してきました。
パリを半径約100Kmの範囲で取り囲む地域は、“イル・ド・フランス”と呼ばれています。
そのイル・ド・フランスのひとつであるシャルトルまでは、ル・マンやナント行きの列車で60~70分、
モンパルナス駅から、一時間に1~2本程度運行しています。


モンパルナス駅。


駅のすぐそばに建つ、パリ市内では珍しい高層ビルのモンパルナスタワー。
このオフィスビルの59階には展望台、そして56階には素晴らしい景色を眺めながらお食事ができるレストラン“ル・シエル・ド・パリ”があります。
パリに来ると必ずここで食事をするのですが、なんと今回はせっかく予約をしていおいたにもかかわらず、体調を崩してしまいキャンセルしてしまったのでした、トホホ。
特に夜景が美しく、パリの思い出作りにぴったりだと思いますので、どうぞ皆さんも行ってみて下さい(^^)
ホームページ→http://www.cieldeparis.com/


ル・マン行きの列車(左) 2階建てです。
日曜日であったということもあるでしょうか、私たちと同じくイル・ド・フランスのどこかに旅するのであろう家族連れ、又は実家に里帰り、もしくは一人旅すると思われる若者などで、列車はほぼ満席状態でした。


パリではまず見ることのない、一軒家が立ち並ぶ可愛らしい街並みや、緑豊かな牧歌的風景を車窓から眺めているうちに、一時間などあっという間に過ぎてシャルトル駅に到着。


シャルトルは、パリの南西90Km、フランス屈指の大穀倉地帯であるボース平野の中の街です。


フランスゴシック建築の最高峰と言われる、ノートル・ダム大聖堂(シャルトル大聖堂)。
左右非対称の2本の尖塔は、向かって左がゴシック様式の新鐘楼(16世紀)、
右がロマネスク様式の旧鐘楼(12世紀)です。
普通、人はシンメトリーなものに美しさを感じるものなのでしょうが、この左右非対称の外観は、とても魅力的に感じるので不思議(@。@)


“王の扉”と呼ばれる西正面扉と “人像柱”。
“人像柱”のこの細長い姿で表された彫像は、旧約聖書に登場する人物で、ロマネスクからゴシックへの変遷を知る上での貴重な美術的遺産なのだそうです。


“シャルトル・ブルー”と呼ばれる、西面の大ステンドグラス。
太陽が沈む西側は終末を意味し、13世紀に作られたこの薔薇窓には“最後の審判”が描かれています。
右端はブルーがひときわ美しい、キリストの系譜が描かれた“エッセ家の系樹”と呼ばれるステンドグラス。


“エッセ家の系樹”


主祭壇と、18世紀にブリダンによって作成されたマニエリスム様式の聖母被昇天像。
マリア様が3人の天使に囲まれている構図といえば、マドレーヌ寺院の主祭壇のものも美しいですよね(*^^*)


マドレーヌ寺院の主祭壇。 彫刻はシャルル・マロチェッティ作。
それにしても、いずれも天使が3人というのはなぜかしら…単にバランスがいいからでしょうか?


シャルトルの主祭壇と内陣は、16~18世紀にかけての数人の芸術家による彫刻で飾られた壁で取り囲まれていました。
内陣を取り囲む彫刻の壁…これをなんと呼ぶのか分からないのですが、こういうのは初めて見ましたので、とても興味深くて私にとっては新鮮でした。


“受胎告知”


トマ・ブダン作 “キリストの洗礼” (1612年)


“ピエタ”
この様に、キリストの生涯の場面の彫刻群でぐるりと内陣を囲んでいます。
また、彫像の上の飾り彫りも、レースを思わせるような繊細な美しさで、目を見張るものがありました。


お昼ごはんは近くの小さなレストランで。
好物のアンチョビーやオリーブがのっているニース風サラダ。
パンもついているので、私はこれでおなかいっぱいです♪


大聖堂のすぐそばにあるシャルトル美術館にも行きました。写真はその美しい庭園の一角。
マリー・アントワネットの肖像画で有名なヴィジェ・ルブラン、陶器のような冷ややかな肌と表情の描写が特徴的なグイド・レーニの“ユディット”や、アングルの素描、フランドルの画家ホルバインによる肖像画など、素晴らしい作品が多々ありました。
その中で一番印象に残ったのはヴラマンクのコレクションでした。


ヴラマンクといえば、マティスと並び称されるフォーヴィスム(野獣派)の画家ですから、この様な強烈な色彩の絵でおなじみですが…


こんな寂寥たる眺めの雪景色の絵がありました。
ゴッホに影響をうけたというヴラマンク…色使いは違えどこの絵には、不安げな、物悲しさが漂っていて、そういえばゴッホに共通するものがあるな~と思います。


大聖堂の裏へと回ると、シャルトルの街並みを眺めることができました。
今回は街中へは行かなかったのですが、数百年前の建物が点在し、中世の面影を色濃く残した街なのだそうです。


駅へと向かう帰り道、名残惜しくてもう一度、大聖堂を振り返ってみました。
この、時代の異なる二つの塔が、気の遠くなるような長い時間の中で、度重なる火災や略奪、破壊を繰り返し受けてきた苦難と歴史を象徴し、またそれを語りかけてくるようなのでした。

賑やかで華やかなパリを離れて、の~んびりと時間が流れる美しい古都への小さな旅で、心やすらぐ素敵な一日を過ごすことができました(^^)


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コメント 12

ステンドグラスと彫刻がすごい迫力ですね。
パリに行ったことがないので、ちょっと私は旅行気分させていただきました。
フランスって食事もおいしそうですし、本当にステキな国ですね。
by (2006-10-09 17:53) 

ミカエラ

■好(ハオ)くん、こんにちは(^^)
ステンドグラスといえばなんと言ってもサントシャペルが素晴らしいですよ~、
よく“宝石箱のよう”と評されますが、まさにそれです。
パリに行かれたらぜひ訪れて見てください♪
パリも素敵ですけれど、好(ハオ)くんのアメリカへのワイルド&アドベンチャーな感じの旅もカッコイイですよん、憧れます(*^^*)
by ミカエラ (2006-10-10 12:32) 

eireen

"JEREMY IS THERE "- A slogan for Paris :rofl:


wow, all da pics at the Cathedrale Notre-Dame are so great. it's so splendid and grand. lol btw, did you go to paris alone? your explanation and pics are detailed and kind :) I like it
by eireen (2006-10-11 23:38) 

ryuji_s1

ステキな処ですね、
ぜひ行ってみたいです、
パリには行ったことが有るのですか゛
郊外のこの街とても
良いですね。

初めて訪問させて頂きました。
今後も、宜しくお願いいたします。
by ryuji_s1 (2006-10-12 17:18) 

マリンかもめ

こんにちは。
ステンドグラスは本当に・・・いいな(笑)
眺めていて飽きません。
by マリンかもめ (2006-10-12 19:10) 

ミカエラ

■ Hi, eireen ^^
"Jeremy is there”? No, no,
He is in JAPAN now, don’t you remember ?
Jere is reading your message next to me in front of my PC. haha !

Thank you for the impression to my sentences.
You made me happy^^

I went to Paris alone ?
No, ...with my sweet angel Carson, of course ! *mad*
by ミカエラ (2006-10-12 20:21) 

ミカエラ

■ryuji_s1さん、はじめまして、こんにちは(^^)
ご訪問ありがとうございます。
私は今回行かなかったのですが、街中も中世にタイムスリップしたような感覚が味わえる素敵なところだそうですよ~。
パリも見所満載で何度行ってもいいですが、たまには都会の喧騒を忘れてプチ旅するのもいいものです。
郊外の旅といえば、ヴェルサイユとかロワールの古城めぐりなども定番ですね。
ryujiさんも、またパリを訪れることがありましたら、ぜひ小さな旅に出てみて下さいね♪
by ミカエラ (2006-10-12 23:28) 

ミカエラ

■マリンかもめさん、こんにちは(^^)
ステンドグラスは、写真ではなかなかその本来の美しさを伝えられなくて残念です。
でも、サント・シャペルのそれは、とても綺麗に撮ることができましたv
シャペル=礼拝堂であるということを忘れるくらいゴージャスなんですよ~。
後でブログにアップしますので、お写真だけでも見に来て下さいませ♪
by ミカエラ (2006-10-12 23:34) 

ryuji_s1

さっそく、ご訪問頂き、有り難うございます。
ミカエラさん
ステキなコメント心より、感謝いたします。
料理は心で作るモノですね。愛情と祈りがないとステキな味が出てきません。
今後も、宜しくお願いいたします。
by ryuji_s1 (2006-10-13 19:46) 

Jen

先日、フランスの田舎のほうで日本人がグループで押しかけて写真だけ撮って帰るというのがよくないといわれているとか言うニュースを見ました。フランスは休暇2週間以上で日本は1週間という平均休暇週の違いがあるとか書いてありました。海外の人って休暇にそれくらい行くんですね。
ミカエラさんの記事を読んでいて、1日でもゆったりとした優雅な時間が流れているように思いました。ミカエラさんは行きつけのレストランが御フランスにあったりして御フランスを自分流にアレンジして滞在していて素敵です。パリのブランド街もあいますが、優雅な田舎もあいますね。(←勝手な脳内イメージです;たぶんミカエラマダムにはお似合いのイメージだわ。)
by Jen (2006-10-14 18:30) 

ミカエラ

■ryujiさん、こんにちは♪
こちらこそ、”お料理は愛情!”という言葉を思い出させていただいて、感謝しています。
材料やレシピも細かく書かれているので、ゲストの奥様方(?)にもとても喜ばれていらっしゃる様子で、素晴らしいブログですね。
そして器にもこだわりを持っていらっしゃるところも素敵だな~と思いました。
そう、お料理は見た目の美しさも大切ですよね(^^)
by ミカエラ (2006-10-15 00:32) 

ミカエラ

■Jenさん、こんにちは♪

>>先日、フランスの田舎のほうで日本人がグループで押しかけて写真だけ撮って帰るというのがよくないといわれているとか言うニュースを見ました。
↑むむむ、そうですか~(;^^)
そうなんですよね、日本人は欧米に比べてお休みを少なく取るので、とにかく時間がないのですよね、特にツアーですと。
ツアー会社もスケジュールを詰め込み過ぎなんだと思います。
でも、私はフリーで行っても、貧乏性なのであちこち忙しく見て回らないと気がすまないタチなんですよ~はは(;^^)
プロでもないのに、写真ばかり撮っている姿はやはりあまり美しくないですよね、今後は気をつけようっと(汗)

>>ミカエラさんは行きつけのレストランが御フランスにあったりして…
↑そ~なんですのよ~ お~ほほほ(^m^)
とにかく、今回公式サイトをご紹介した上記のレストランは、夜景が最高です、ドレスコードがありますが、お店の雰囲気があまり気取ってないところも好きなのです。
Jenさんも、パリに行かれたらぜひお食事してみて下さい、
ジョン君みたいな(!) スウィ~ト・ダ~リンと(*^m^*)
by ミカエラ (2006-10-15 00:34) 

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