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パリ、ところどころ。*ルーアンへ プチ旅の巻* [パリ2007*Paris]

今回も、パリ滞在中、一日だけ郊外の街へ日帰り旅行に行ってきました。
行き先は、ノルマンディー地方セーヌ川下流域に栄える美しい古都 ルーアン。
祖国を救った女傑・ジャンヌ・ダルクや、『ボヴァリー夫人』などの著書で知られるフロベールゆかりの地として知られています。


出発駅のサン・ラザール駅構内。
パリからはSNCF線の特急で約1時間30分で行くことができます。
切符を右下の黄色い機械に通して、刻印してから乗車するのですが、
この機械はあまり台数がなくて、ホームに電車が入ると、皆がこの機械に殺到しますので、
早めに刻印しておいたほうがいいみたいですね(;^^)


『サン・ラザール駅』  モネ画  オルセー美術館蔵
パリ近代化の象徴として、ターミナル駅として話題を呼んだサン・ラザール駅は、
汽車から吐き出される白煙、または、多くの行きかう人々の姿が、
モネやマネをはじめとする印象派の画家たちの関心を誘い、格好の画題となりました。
1889年に改装されたそうですが、プラットホームが三角屋根なところは、
当時の面影を残しておこうという意図があったのでしょうか。。。


私が乗ったのは、掲示板の上から2番目のル・アーヴル行き。
ル・アーヴルはモネの故郷でもあるそうです。


ルーアンの駅に到着。
曲線を描いたアール・ヌヴォー風が、優雅な外観の駅で素敵ですね。


この街に住んでいる方々には、何気ない通りであっても、
私たち旅行者にとっては、この街並み、石畳の道路がとても美しく珍しく感じられて、
日本からはるか彼方の地に立っているのだな~と実感。
今日一日しか居られないことを思うと、まだ着いたばかりというのに、
寂しい気分になってしまいした(;^^)


まずは、美しい緑豊かなヴュルドレル広場に佇むルーアン美術館へ。
17~19世紀のイタリア、スペイン、フランス絵画を約2300点収蔵しています。


フランス古典主義の画家ニコラ・プッサンの像がお出迎え。


『サンドニ街、1878年6月30日の祭日』  モネ画
普仏戦争後、初めての革命記念日とパリ万博の成功を祝う祝日の一景を描いたもの。
画家をはじめ、市民の祖国を称える自画自賛ぶり(笑)と、熱狂振りが伝わってくる作品ですね。


その他、この美術館には、アングルやモディリアーニ、モローなどなどのフランス絵画、
そして、カラヴァッジオやベラスケスによる逸品も展示されていました。
それにもかかわらず、あまり鑑賞者がいませんでしたので、
ゆっくりじっくりと絵を堪能することができて非常に満足&嬉しかったです(*^^*)


続いて、多くの市民で賑わうヴュー・マルシェ広場へいきますと、
その名のとおり、マルシェ=市がたっていました。


大天使ミカエルによる救国の神託を受け、1428年、軍を率いてイギリス軍を撃破し、
オルレアンを奪還するという武勲をたてるも、
その後、異端信仰の廉で死刑を宣告されたジャンヌ・ダルク…
彼女が1431年に火刑に処されたのが、まさに、このヴュー・マルシェ広場でした。
今、この地には彼女を讃える、聖ジャンヌ・ダルク記念教会が建っています。
波打つような屋根のデザインは、やはり、海をイメージしているのだそうです。


内部は美しいステンドグラスで彩られ、明るくモダンな感じ。


1926年に作られたレアル・デル・サルトによるジャンヌ・ダルクの石像。
これは天の啓示を受けている最中の姿なのでしょうか、恍惚とした表情とか、
象徴主義的美術様式が、例えばグスタフ・クリムトなどの、
ウィーン分離派の作品を思わせるものがありますね。


ランチを取ったレストランは、この広場内にある1345年創業(!) 鴨料理で有名なラ・クーロンヌ。
左から2番目の建物がそれです。
この一帯のお店は皆このような可愛らしい造りになっていて、
ドイツのローテンブルグの街並みを思い出しました♪


テラスでもお食事できますが、私たちは室内のテーブル席を希望。
有名人が多々訪れるらしく、例えば、画家のダリとか女優のソフィア・ローレンとか、
そうそうたる面々のサイン入りの写真が所狭しと飾ってありまして、
それを眺めるのもまた楽しかったです♪


私が注文した生ハム&メロンの前菜。
生ハムはあまり塩気がなく、分厚く切ってあるので、…なんというのか、
野趣に富んだワイルドな味と歯ごたえでした(笑)
連れはサーモンのマリネを注文しまして、こちらはとても美味しかったです!
そういえば、ノルマンディー地方といえば魚介が名産だったのでしたね。。。(時すでに遅し)


え~、気を取り直しまして(←イマイチだったらしい)、
いよいよ、待ちに待ったメインの鴨のロースト登場です(≧▽≦)
こちらも、今までに体験したことのない、なかなかな歯ごたえなのではありますが、
私は鴨肉のこの食感が大好きなので気になりませんでした。
かえって、このワイルドな素朴なところが好きです。
そして甘いリンゴのソースも、付け合せも美味しかったですよ~、さすがは有名店ですね~(感動)


イチゴがどっさり入ったスープ状のデザートはそれほど甘くなくて、
いわゆるスウィーツというものがあまり好きではない私でもペロリと完食。
締めはやっぱり濃い目のコーヒー、“カフェ”で。 イタリア語でいうエスプレッソですね。

“田舎屋レストラン”という触れ込みの割には、
重厚感のある高価そうな食器で揃えられていましたし、
真っ白なニットスーツを粋に着こなし、胸には大~きなエメラルドを輝かせた、
“田舎屋レストラン”似遣わしいとはとても思われないオーナーとおぼしきマダム(笑)が、
テーブルごとに挨拶に回っていまして、サービス&雰囲気も抜群。
また、カタコト日本語でジョークを飛ばす給仕などもいて楽しいですので、
ルーアンを訪れた際には、ぜひお食事してみて下さいませ、お奨めでございます(^^)


おなかいっぱいになった後、大時計のあるグロゾルロージュ通りを散策。


マクドナルドの看板。 街の景観に溶け込んでいて素敵でした。


プランタンデパートのウィンドーディスプレイ。 秋の“新商品”です。


壮麗なゴシック様式のルーアン大聖堂。
画家のモネが、刻々と変化する日の光の中の大聖堂を、
30点以上も連作として描いたことで知られていますね。


(左)『ルーアン大聖堂、太陽の効果、一日の終わり』 モネ画 マルモッタン美術館蔵
 
(右)『ルーアン大聖堂、充実する陽光』 モネ画 オルセー美術館蔵


教会内部。


絶え間なくろうそくが灯されている様子から、信者の方々の敬虔な祈りが伝わってきます。
なので、私たちも珍しく(!)お布施をして参りました(;^^)


ジャンヌ・ダルクが捕らえられ処刑されるまでの間、投獄されていたというジャンヌ・ダルクの塔。


今では博物館として内部を開放しているらしいのですが、
なにか不気味な空気がみなぎっているようで、彼女の悲痛な叫びが聴こえてきそうな気がしたので、
どうしても入場してみる気にはなりませんでした><


ジャンヌ・ダルクは農民の娘であったというのが通説ですが、
実はシャルル6世の不義の子で、つまり王家の血筋をひく身分であったという説もあるようですね。
しかも、ジャンヌを支持する者らの陰謀によって牢獄より助け出され、
実際に処刑されたのはまったく別の人物であったというお話まであるそうです。

いづれにしましても、彼女が救国の英雄として、
今もフランスの人々にその功績をいかに讃えられているかということが、
美術館の彼女の肖像から受けるよりも、ずっと顕著に感じることができるという、
貴重な体験をした一日だったのでありました(^^)


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うたのひと

ルーアンはジャンヌ・ダルクのゆかりの土地だったのですね。
ルーアンの街の素晴らしさを感じました♪
by うたのひと (2007-10-09 08:30) 

ダフネ

かなり遅くなりましたが(汗)ミカエラさん、お誕生日おめでとうございます~~♪素敵なお誕生日でしたか?

今回の記事もじ~っくり読ませていただきました。
写真もますます腕を上げられたのでは?
食事もおいしそう(^^)

大聖堂、美術館は当然としても、フランスって駅までもお洒落だなぁ~と思っていたら、マクドナルドの看板までお洒落とは・・・。
景観は徹底してますね。さすがです。

ミカエラさんの素晴らしい旅行記に比べるとささやかな楽しみですが(^_^;)、この秋こちらでもユトリロ展があります。
日本初公開の作品もあるようで、是非行ってみようと思っております♪
by ダフネ (2007-10-09 18:06) 

ミカエラ

■うたのひとさん、こんにちは♪

>>ルーアンはジャンヌ・ダルクのゆかりの土地だったのですね
↑そうなんですよね、私も今回の旅の計画をたてるまでは知りませんでした(;^^)
生まれはドンレミという村らしいのですが、彼女の終焉の地がルーアンだったそうです。
今まではあまりこの人物に興味がなかったのですけれど、
ゆかりの土地を訪れてみたら、俄然興味が沸いてまいりまして、
ただいま、伝説本などを物色中です(^^)!
by ミカエラ (2007-10-10 16:04) 

ミカエラ

■ダフネさん、こんにちは♪

>>お誕生日おめでとうございます~~♪素敵なお誕生日でしたか?
↑どもども、ありがとうございます!
はい、自家用ジェット飛ばして地中海の島を貸しきりパーティーしてきました(大嘘)

>>写真もますます腕を上げられたのでは?
↑!(゜∀゜)! ○○もおだてりゃ木に登ってしまいますわよ(笑)
そですねぇ、一番よく撮れたと思うのはルーアン大聖堂です、
モネが描いた角度とほぼ同じでしょう?^^(←その程度の理由さ…)

>>マクドナルドの看板までお洒落とは・・・。
↑日本ではまずお目にかかれないデザインですよね。
マックはお国によってメニューが違うのだそうで、
おフランスのご当地バーガーを試してみてもよかったなとちょっと後悔してます。

>>秋こちらでもユトリロ展があります。
↑わあ♪ いいですね~、福岡県立美術館で開催なのですね。
憂愁に満ちた作風が、少し物悲しい&芸術の秋にピッタリの催し物ではありませんか。
その美術館の企画担当さん、いいセンスしてるわ~(←偉そーだ)
“ユトリロちゃんの白”を存分に楽しんでいらして下さいませ(^o^)
by ミカエラ (2007-10-10 16:05) 

kurohani

ルーアン素敵な街ですね〜。鴨料理美味しそう!マックの看板なんだかフレンチでお洒落です。
by kurohani (2007-10-15 23:05) 

ミカエラ

■kurohaniさん、こんにちは(^^)

>>マックの看板なんだかフレンチでお洒落です。
↑なんだか”老舗”みたいな風格がありますよね(笑)
お店自体もあまり賑やかでなくて、静かでこじんまりとしていました。
ミラノの高級ブティックが連ねるヴィットリオ・エマヌエーレ2世というアーケード内のマックを写真でみたのですが、黒字に金色の看板でゴージャスでした☆
入店するのもやや緊張しそうですね!?(笑)
by ミカエラ (2007-10-16 18:55) 

カポ

パリからの日帰り旅行とは言え、充実した一日でしたね。
ジャンヌ・ダルクゆかりの地ならでは いろいろな貴重なお話、楽しかったです!
ところでマルシェ=市はゆっくりご覧になれましたか?
私もドイツやフランスに行ったら 絶対に市でアンティークな小物を探したい!と思うのですが 画像からは食品の市のように見えますね。
それも楽しそう et 美味しそう♪
それにしても すみません・・、一番興味があったのがランチです~(笑)
ランチとは言っても めちゃくちゃ豪華じゃありませんか!?
さすが有名人の訪れる老舗のレストランなんですね。
>>イチゴがどっさり入ったスープ状のデザート・・
甘過ぎないというのがイイですね。
秋の“新商品”、大受けです! 日本人観光客が多い証拠ですね。
ひとつだけ分らない単語は、どこの国の「新しい」なのかしら?
ロシア語かな?ドイツ語??

まだまだレポ、楽しみにしていますね(^^ゞ)
by カポ (2007-10-20 00:41) 

ミカエラ

■カポさん、こんにちは(^^)
こちらにもコメントありがとうございます。

>>ところでマルシェ=市はゆっくりご覧になれましたか?
私もドイツやフランスに行ったら 絶対に市でアンティークな小物を探したい!と思うのですが 画像からは食品の市のように見えますね。
↑この広場に着いたらすぐにレストランへ直行してしまったので、
今回はマルシェ散策はしませんでした(;^^)
私が泊まったパリのホテルの近くの”ラスパイユのビオマルシェ”では、
オーガニック野菜や果物などの食品以外に、手作りの石鹸などを置いていることで有名だそうですよ~。
まさしくカポさんが気に入られそうな市ですね♪
アンティークな小物探しも素敵ですね~。ロココ調の手鏡とか欲しいです☆(ガラにもなく…)
それからこれからの季節には、ドイツや北欧などで、
クリスマス市というのが開催されるそうで、
寒いでしょうけれど、ロマンチックな冬景色の中で散策するのも素敵ですよね、
鼻水垂らしながら。(←お子ちゃまかい)

>>ランチとは言っても めちゃくちゃ豪華じゃありませんか!?
↑はい~、周りのお店と比べますとちょっとお値段はりました(;^^)
やっぱり老舗で有名人が通ったというネームバリューのせいもあるのでしょうね。
でも皆さん家族とか親戚とかでワイワイと楽しんでいて、とてもカジュアルな雰囲気でした。
by ミカエラ (2007-10-22 16:11) 

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