SSブログ

映画 『魔笛』 [映画 ま行 *Movie]


*監督* ケネス・ブラナー
*脚本* ケネス・ブラナー
*脚色* スティーヴン・フライ
*音楽* ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
*出演* ジョセフ・カイザー as タミーノ
      エイミー・カーソン as パミーナ
      ベン・デイヴィス as パパゲーノ
      シルヴィア・モイ as (若き日の)パパゲーナ
      ルネ・パーペ as ザラストロ
      リューボフ・ペトロヴァ as 夜の女王
2006年 イギリス

*あらすじ*
第一次世界大戦の塹壕戦のさなか、
兵士タミーノは、毒ガスによって攻撃を受け気絶してしまいます。
そんな彼を助けたのが、夜の女王の侍女である3人の従軍看護婦でした。
しかし、目覚めた時に傍らに居たのが毒ガスを探知するカナリヤを
飼うお仕事をしているパパゲーノでしたので、
タミーノはてっきり彼が命の恩人と勘違いしてしまい、
パパゲーノも調子に乗って作り話をする有様なのでした。
そこへ先ほどの看護婦たちが現れて、お調子者のパパゲーノを懲らしめます。
暗黒卿ザラストロにさらわれたという夜の女王の娘・パミーナの
写真を見せられたタミーノは、彼女をひと目見るなり恋に落ち、
更には母親である夜の女王に哀願されて、
パパゲーノとともにパミーナ救出へと向かうのでした。

                     ****

□■ 音楽について ■□

モーツァルトの生涯最後にして、最高傑作と謳われるオペラだけあって、
序曲を聴いただけで、もうワクワクしました♪
さすがはクラシックのなかでも、特に人気の高いモーツァルトの曲は楽しいですね。
自らの芸術性の発露から生まれただけの音楽ではなくて、
観衆を楽しませようと心を砕いて作られた音楽には、
やはりそれ相応に、親しみやすさと、心を打つものがあるものですね。

私が一番好きなのは、パパゲーノが歌うアリア『鳥を捕るのが俺の仕事』。
鳥のさえずりを真似たパンフルート(ピッコロなのだと思ってました)の音色が実に可愛らしくて大好きです(^^)
それから、夜の女王がヒステリックに歌う『地獄の怒りに燃えるこの胸』も、
さぞかし高度なテクニックを要するであろう高音域の部分が、
ソプラノ歌手の腕の見せ所といった感じでかっこいいです。
今回の映画では、女王が空中に舞いながら歌うという、
映画ならではのスペクタクルな見せ方で迫力がありました。

とにかく、貧窮の生活の中で必死に作ったとは思えないほど、
愉快なメロディとストーリーですから、
モーツァルトとは、きっとどんな時でも前向きに生きられるポジティブな人だったのでしょうね。

映画「魔笛」オリジナル・サウンドトラック

映画「魔笛」オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ, ヨーロッパ室内管弦楽団, ジェイムズ・コンロン, ジョセフ・カイザー, エイミー・カーソン, ベン・ディヴィス, シルヴィア・モイ, ルネ・パーペ, リューボフ・ペドロヴァ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2007/06/27
  • メディア: CD

モーツァルト:歌劇「魔笛」全曲

モーツァルト:歌劇「魔笛」全曲

  • アーティスト: シュワルツコップ(エリザベート), フィルハーモニア合唱団, ヤノビッツ(グンドゥラ), ポップ(ルチア), レイノルズ(アンナ), ピュッツ(ルート・マルグレート), ギーベル(アグネス), ヴィージー(ジョセフィン), ルートビッヒ(クリスタ), ヘフゲン(マルガ), クレンペラー(オットー)
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1996/07/17
  • メディア: CD


□■ストーリーについて■□

やはりオペラですから歌を聴かせるのが中心だからなのか、
ひとつのエピソードというのか、場面にかかる時間が、
長すぎる感じがするのは否めないでしょうね。
これは、アリアに親しんでいないと、退屈に思う方がいることでしょう。

ストーリーの大きな流れでは大ドンデン返しの発想は面白くてよいと思いますけれど、
後はたわいもないおとぎ話で、つじつまが合わないところがあったりして、
また、少しわかりづらかったりしますよね。
あと、魔笛を奏でるとき、口につける仕草でもしたほうが、
魔笛が鳴っているという感じがあってよかったかなと思います。


↑大筋は、お姫様を救う王子様のおはなし。

ファンタジーであると意識して、歌や個々のやりとりを楽しむ…といった気分で見ると良いかもしれません。
しかし映画では、舞台を戦場にしてピリリとスパイスを加えた作りになっており、
平和への祈願を込めたアリアを歌うところなど、しんみり考えさせられる場面もありました。

□■キャストについて■□

事前情報をほとんど仕入れていなかった私は、
ザラストロ卿として、ルネ・パーペさんが登場したのでビックリしてしまいました><
…といいつつCDなどは持っていないのですけれど(;^^)
お名前とお顔は存じ上げておりました。
ドイツのドレスデン出身で、世界屈指のバスのひとりとして人気を誇り、
世界有数の音楽祭や歌劇場に頻繁に出演される歌手なのだそうです。
確か、ザルツブルグ音楽祭だったか、ウィーンフィルと共演しているのをTVで観たことがあります。
一度見たら忘れられない個性的なお顔立ちで、とても存在感があるのですよね。
ですから、ひとつの世界に君臨するシンボルとしてふさわしく、
また、素晴らしいオーラを放っていました。
パーペさんにとって、ザラストロは当たり役なのだそうで、
それを今回大画面で観て、大音量で聴くことができたことはとても幸せに思いました(^^)
ルネ・パーペさんの公式サイト→http://www.renepape.com/

それから、主役のタミーノは…背が高くて素敵でしたけれど、
あまり印象に残らなかったです(;^^)


↑左がタミーノ、右がパパゲーノ。

それは芸達者なパパゲーノとともに髪の色と、
ヘアスタイルがほぼ一緒だったということもあるでしょうか。
まあしかしそれは、戦時中という設定ですので仕方がないことですね。
オペラも歌えて、パーフェクトなルックスも、と望むのは難しいことかもしれません。
『魔笛』公式サイト→http://mateki.jp/

しかし、以前お友達のJenさん(Thanks !)が仰っていた、、
オペラ映画を作るにあたって、ブラナー監督がイギリスのポペラグループであるG4の、
リードボーカルのJON君にオファーを出したというのは、この映画だったのかしら(@。@)
ということで、もし、彼がこの役(多分タミーノでしょう)であったとしたら!!
と始終思い描いてしまいました(;^_^) 
しかし、相手役のことを考えると少し背丈が足りないでしょうかねぇ。


↑JON君、大好きよ~(*´v`*) これからもその歌声に磨きをかけて頑張ってネ。

お話がそれますけれど、G4の音楽は本当に素晴らしいのですよ~(>▽<)
もちろん、抜群の歌唱力のメンバーで構成されたハーモニーもさることながら、
リード・ボーカルのジョン君は、そのスウィ~トなお顔からは思いもよらぬ素晴らしい歌唱力で、
例えば日本でもブームとなったアリア『誰も寝てはならぬ』など、
ろうたけた歌い出しに驚かされた後、ちらっちらっと若々しい歌声を垣間見せたりして、
実に魅力的で、美しい旋律とともにいつも酔いしれてしまうのであります(*ベタ惚れ*)

残念ながらグループは解散してしまうのですけれど、JON君はソロで活動するらしいですから、
いつの日か、スクリーンで逢えたらいいなと思います。
そしてG4のCDはまだ買えるようですので、
機会がございましたら、皆様もぜひ一度聴いてみて下さいませ(^^)

G4 & Friends

G4 & Friends

  • アーティスト: G4
  • 出版社/メーカー: Bmg
  • 発売日: 2005/11/28
  • メディア: CD

G4

G4

  • アーティスト: G4
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 2005/02/28
  • メディア: CD


nice!(2)  コメント(10)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

nice! 2

コメント 10

dim

ミカエラさん、こんにちは。
ワタシも観てきましたよ~~(^^)。
オペラ版「魔笛」を観たことがないワタシは、軽めのミュージカルとして結構楽しめましたが、前半部分あまりに単調で寝てしまいました~ははは。
でもうつらうつらしながら「金払ったのに・・・寝るのはもったいないな」と遠のく意識の中で思い、必死で上まぶたと下まぶたをこじあけたのでした。
ワタシもタミーノの印象があまりないです。というより美しくないのでどうも許せんのです(怒)。ワタシとしてはDIVOのデイヴィッドが希望なのですが、今更おそいですよねー(涙)。
作品としてはケネス・ブラナーの平和への思いがこめれられていて、オペラ版とは違ってもこれはこれでよいのではないかと思いました。
TBはっていきます。
by dim (2007-08-03 17:57) 

Jen

こ、これはタミーノがジョンだったらということばかり考えてしまう映画ですね(違)ミカエラさんもモンモン病になってしまいましたか(@゜m゜@)
G4のデビュー前に受かっていて、デビューが決まったから音楽を優先させたかったからとか。早い解散を思えば世界デビューしておけばよかったのに。

8月末解散だと思っていたら先日解散を向かえたそうです。いつ解散なの?なんてすっとぼけた質問をG仲間にして残念だけど先週の土曜日が最後の出演だったのよと教えてもらいました。(コメントしようかしらと考えていたらこの記事が!グッドタイミング!)。Jonは早々とソロデビューが決まりそうで、あとの3人は音楽活動は続けるけれども表舞台からは退くようです。
by Jen (2007-08-03 19:27) 

ミカエラ

■dimさん、こんにちは♪
コメント&TBありがとうございます~…と言いたいところですが、
あれれ(;^^) TBは貼られてないようなのですが…
よろしければ、後でまたトライしてみて下さいませ^^

>>前半部分あまりに単調で寝てしまいました~ははは。
↑そうですよね(;^^) やはり元となっているオペラは、
音楽を聴くのが第一の目的だからだと思うのですが、
一つ一つの場面が長いので退屈ですよね。
でも冒頭の、戦場を長回しで映し出したシーンは、絶賛されている方が多いですね。

>>というより美しくないのでどうも許せんのです(怒)。
↑お、ハッキリと言いましたね(笑)
実は私も、従軍看護婦たちが、「この美しい若者のそばに居たい♪」(だったか?)と
歌っている気持ちが分かりませんでした(毒)

>>ワタシとしてはDIVOのデイヴィッドが希望なのですが
↑そういえばdimさんはイル・ディーヴォのファンでいらっしゃいましたね(*^^*)
私もデイヴィッドのあの個性的な歌声は好きです。
アンブレイク・マイ・ハート(レグレサ・ア・ミ)のPVでも演技を披露していましたし、
役に抜擢されていたらまた話題になったことでしょう♪

>>作品としてはケネス・ブラナーの平和への思いがこめれられていて、オペラ版とは違ってもこれはこれでよいのではないかと思いました。
↑そうですよね、世界各国の人名が彫られた壮大な墓碑の前での、
鎮魂歌を歌うシーンなどは、現代の無益な殺戮と戦争を象徴しているような、
そして平和を願う気持ちを表していて感慨深かったですね。
アリアを英語で歌うことに違和感を訴える方も多いですけれど、
広く平和を訴えかけたいという監督の気持ちを考えれば、私はそれでよいのだと思いました。
by ミカエラ (2007-08-04 14:59) 

ミカエラ

■Jenさん、こんにちは♪
わぁ♪ 早速反応して下さってありがとうございます、嬉しいです^^

>>こ、これはタミーノがジョンだったらということばかり考えてしまう映画ですね(違)
↑その節は、素敵な情報をいただきましてありがとうございました。
そう、そのおかげで、タミーノ役がジョン君だったらな~とひたすら思い描いていましたとも!
ビジュアル的にも歌声もバッチリですよね。
Jenさんもぜひご覧になってモンモン(T~T)体験してみてくださいませ(笑)

>>G4のデビュー前に受かっていて、デビューが決まったから音楽を優先させたかったからとか。早い解散を思えば世界デビューしておけばよかったのに。
↑なるほどそうでしたか(@_@)
でも、解散してしまうのは非常に残念ではありますけれど、
その美しいハーモニーは、CDとして永遠に私たちの手元にあるわけですし、
また、ソロに転向するわけですから、ジョン君にはまたチャンスが巡ってくる可能性が十分ありますよね。
ということで今度こそはオファーを受けて、幅広く活躍してほしいですね(^^)
by ミカエラ (2007-08-04 15:00) 

うたのひと

気になる映画でした。ミカエラさんのブログを読んで映画に行きたくなりました^^
by うたのひと (2007-08-04 23:19) 

ミカエラ

■うたのひとさん、こんにちは(^^)

>>ミカエラさんのブログを読んで映画に行きたくなりました^^
↑いつも、嬉しいお言葉いただきましてありがとうございます(うるうる)
“魔笛”のアリアが好きな私には、歌を聴くことができるだけでも楽しかったですけれど、
オペラをよくご覧になっていらっしゃる方々には、あまりウケがよろしくないようです。。。
ですから絶対オススメとは申せませんが、
ご自身も歌手でいらっしゃるうたのひとさんが、
はたしてとのようなご感想をお持ちになるのか、興味もあるのですよ~。
特に、夜の女王のアリアとか♪
by ミカエラ (2007-08-05 14:43) 

豆酢

ぬおおおおおお!
dim様に続いてミカエラ様も!!
私もこれ見たいのですよ。でもスクリーンでは多分到底観られない…(号泣)。

タミーノについては、dimさんは絶対Divoを出してくると思っていましたし、ミカエラさんはG4を引き合いに出されると思っておりましたの(おほほ…)。予想通りでした(爆)。
うーん、私としましては、やっぱりデイヴィッド(Divo)を推したいところですが…。背も高いですしね。彼、オペラ時代に軍服を披露しているんですが、これがまた似合うのなんの!タミーノばっちりじゃん!と密かに思っておりました(^_^;)。
G4のアルバム聴きましたよ!!ファーストが一番良かったです(^_-)-☆
そうか、あのジョン君なら、タミーノに扮していてもいいでしょうかね…。背が足らないか…(^_^;)。
by 豆酢 (2007-08-05 20:38) 

ミカエラ

■豆酢さん、こんにちは(^^)

>>ぬおおおおおお!
↑この感嘆符というのか感嘆文で、
お名前を見なくても豆酢さんだとすぐにわかりました(笑)
いつも賑やかにご登場くださってありがとうございます^^

>>でもスクリーンでは多分到底観られない…(号泣)。
↑今は子豆チャンたちも夏休み中でしょうからお忙しいでしょうね。
私はレディスデイに行きまして、立ち見(と言いましても、通路に座ってらっしゃいましたが)が出るほどの盛況ぶりでしたよ~。
良くも悪くも話題になっているようです。

>>彼、オペラ時代に軍服を披露しているんですが、これがまた似合うのなんの!
↑おお、そうなのですか(@。@)
デイヴィッドは勿論素晴らしい歌唱力もありますし、
見た目も純朴そうだというところも、仰るとおり、タミーノにバッチリですね☆
dimさんの発想のように、セクシーオーラムンムンのカルロス@ザラストロとの共演が観たいですね(;゜∀゜)

>>G4のアルバム聴きましたよ!!ファーストが一番良かったです(^_-)-☆
↑わあ♪ ほんとですか! 嬉しいです~(泣)
日本でも大人気のアリア“Nessun Dorma”も入っていてオイシイですよね。
それから、筋金入りのクィーンファンがどう思われるかわかりませんが、
私はジョン君の“Bohemian Rhapsody”が大好きなのです。
「ママ~、僕は死にたくない!」と歌われると、「おお、よしよし。」と、
かばいたくなってしまうのでした♪(親ごころ?・笑)
by ミカエラ (2007-08-06 17:52) 

SUKIPIO

昨年(2006年)モーツァルト生誕250年を記念して英国の天才ケネス・ブラナーがモーツァルトのオペラ『魔笛』を忠実に映画化した作品ですね。
ケネス・ブラナーは監督としても役者としても素晴らしく、メアリー・シェリー原作の映画化でフォード・コッポラが制作に関わりました。「フランケンシュタイン・1994年」では、ロバート・デニーロと共に、彼の素晴らしい演技も記憶に残りました。

それから、私の「ポールとミシェル」のコメントに、モーラン爺さんから、ミカエラさんに、お礼のコメントが以下の様に来ておりました。
『ミカエラさん、
 ~当方のサイトをご覧頂きまして有難うございました。』

まずは、ご連絡まで。
by SUKIPIO (2007-08-12 19:18) 

ミカエラ

■SUKIPIOさん、こんにちは(^^)

>>昨年(2006年)モーツァルト生誕250年を記念して英国の天才ケネス・ブラナーがモーツァルトのオペラ『魔笛』を忠実に映画化した作品ですね。
↑そうでしたね^^
出来れば、公開を昨年に合わせて製作すればもっと盛り上がって、
ご覧になる方も更に多かったことでしょう。
昨年のモーツァルトイヤーが、かなり盛況だったことを思うと、
祭りが済んだ後の公開では、少しもったいない気がします。
しかし、ただ底抜けに明るいだけではなく、
反戦や平和への祈願が込められていて、色々と考えさせられる素晴らしい映画でしたね(^^)

>>それから、私の「ポールとミシェル」のコメントに、モーラン爺さんから、ミカエラさんに、お礼のコメントが以下の様に来ておりました
↑わざわざお知らせくださってありがとうございます。
昨日はネットに入らなかったものですから、先ほど、コメント読ませていただきました。
モーラン爺さん様のサイトは、俳優においてだけではなくて、
ロケ地まで詳しく考察してあって映画への情熱で溢れていますね。
SUKIPIOさんのブログでは記事は勿論、集うゲストの方々のコメントも優れたものばかりで、いつも感心&お勉強させていただいています。
by ミカエラ (2007-08-13 18:06) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。