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映画 『ピンチクリフ・グランプリ』 [映画 は行 *Movie]


*監督 編集 アニメーション* イヴォ・カプリノ
*脚本* ヒェル・アウクルスト、イヴォ・カプリノ、他
*撮影* チャールズ・パティ、 イヴォ・カプリノ
1975年 ノルウェー

*あらすじ*
ノルウェーのとある場所にあるピンチクリフ村。
村はずれの切り立った崖の上の一軒の家には、
自転車修理工のレオドル、二人の助手であるソランとルドビグが暮らしていました。
グランプリレース3連勝中のルドルフはレオドルの元弟子。
しかしそれはレオドルの発明を盗んで製造したマシンのおかげなのでした。
それを知ったレオドルたちは、自らもカーレースに挑むことを決意します。
モスクワ国際映画祭グランプリ(児童映画部門)、同 最優秀アニメ映画賞受賞作品。

                        ****

30年前のノルウェー本国での公開時には、映画館に長蛇の列ができ、
ノルウェーの映画史上、観客動員数No.1の座を未だに明け渡していないという
記録的大ヒット作品だそうで、5年の歳月をかけて撮影に取り組んだイヴォ・カプリノ監督は元々は家具職人。
そのクラフトマンシップが存分に生かされた、芸術的ともいえる素晴らしい映画でした。

大筋のストーリーはとても単純ながら、例えばカーレースに出場する資金調達と、
その機会を得るための方法など、随所に粋で愉快なアイディアがいっぱい。

そして、なんといっても思いやりと優しさがいっぱい!
これは愛をテーマとした作品なんですね、ココロがとても温かくなりました(*^^*)
気の遠くなるような、コマ撮り撮影の作業の忍耐力、情熱、
そして人形に注いだ愛情が、その人形たちを通じて観客に伝わってくるのです。


* 主な登場人物 *
(左)レオドル…自転車修理工で発明家。
(中)ソラン…いつも陽気で前向きな性格の鳥。
(右)ルドビグ…心配性のハリネズミで、花粉症だけれど、お花を育てるのが大好き。

大好きなレオドルのために、陽気なソランは素敵なアイディアで、
なんとかレースに参加させてあげようとあれこれ行動したり、
レーシングカーを製造するのをお手伝いしたりするのですが、
心配性のハリネズミのルドビグは、ドジばかりしているのです。

けれど、そんな彼をレオドルとソランは、怒ったり悲しんだり呆れたりすることはまったくありません。
いつも優しい眼差しで見守っていてあげるんですね。。。とても慈愛に満ちています。
ああ、思い出しただけでも目頭が熱くなる~~~(T▽T)

やがて苦労の甲斐あって、3人…否、一人と二匹はレースに出場、
これが、人形アニメとは思えないほど大迫力の、手に汗握るレースシーンで圧巻です!

ドライバーとして車に乗り込んだレオドルと助手をつとめるソラン、
マシンは最高に優秀な設計と技術によってカンペキ☆
しかしライバルの意地悪によってトラブルが発生してしまいます。
けれども、レオドルじいさんはいっこうにひるむことなく、
沿道の声援に応えたりして余裕~vの走りをみせるのでした。

競争心はあっても、何が何でも勝ってやろうというガツガツしたところはなく、
ここでも互いを思いやる姿が見られてとっても微笑ましい。

困難に直面してもひるむことなく、人を押しのけるような利己主義に陥らず、
まあ、なんとかなるさ、と楽観的に、今このときを楽しもう…
人生においてもそんな生き方をしてみたら?
と、レオドルにアドバイスもらった気分です。

観終えた後、素晴らしいレースシーンとその撮影技術、そしてなんと言っても登場人物たちが
互いに相手を思いやる温かい気持ちに、思わず拍手喝采したくなる…
そんな方も多かったのではないでしょうか。
私は、皆が静かに席を立って、出口に向かう光景になんとなく違和感を覚えました(;^^)
しかし、皆さんの顔には笑顔があったのですよね、
きっと誰もが胸の中で拍手を贈っていたことでしょう♪

それにしても、この映画、30年前のリバイバルとはいえ、
古さなんて全く感じさせず、けれども人形のぬくもりもちゃんとある素敵な映画ですのに、
あまり多くの映画館で上映されないのが残念ですね。
パンフやチラシには“文部科学省特選”と書いてあるんですよ、それなのに、
渋谷の100席あまりのミニ・シアターではお子ちゃま連れは足を運びづらいでしょうに。

でもこれから順次全国で上映されるようですから、
少しでも多くの人に観てもらえるといいなと思います。
ぜひ、温か~い愛を体いっぱいに感じて下さい^^

公式サイト→http://www.pinchcliffe.com/

その他、以下は私のお気に入りの人形アニメーション☆

NHKプチプチ・アニメ カペリート カペリートの魔法

NHKプチプチ・アニメ カペリート カペリートの魔法

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2003/12/17
  • メディア: DVD


***キノコのカペリートが魔法を使ってさまざまに変身する姿が可愛いらしい
NHKのクレイアニメーション『カペリート』。

PINGU DVD SERIES 6 SPECIAL BOX

PINGU DVD SERIES 6 SPECIAL BOX

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2007/02/15
  • メディア: DVD


***キャラクター商品でもおなじみの『ピングー』。
兄弟の愛が微笑ましいのですよね、氷の上をペタペタ歩く姿もキュート(≧▽≦)


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megumi

このシリーズですね。
まだ観ていませんが、
たしか宮崎アニメの原点にもなっているはずです。
(くわえて、ロシアのアニメ*氷の女王なども)
ワー観てみたいです。
暖まりますよね。
by megumi (2007-02-18 22:55) 

jin-yuma

はじめまして:こんにちは。
かわいいアニメですね。
私も観てみたいです。
ブログお友達つくりの旅の途中
です。
よろしければ、仲良くしてくださいね。
by jin-yuma (2007-02-19 14:45) 

ミカエラ

■megumiさん、こんにちは(^^)

>>たしか宮崎アニメの原点にもなっているはずです。
↑日本の有名な人形アニメ作家さんでも、
この映画を知らない方が多かったみたいですのに、
さすがは宮崎先生ですね~(@。@)
私はあまりDVDを買わないのですけれど、
これは絶対買います。
megumiさんもリリースされたらぜひご覧になってみて下さいね^^
by ミカエラ (2007-02-19 18:13) 

ミカエラ

■jin-yumaさん、はじめまして、こんにちは(^^)
東京メトロのマークのアイコン、可愛いですね~。

写真で観ると、人形たちがちょっとグロテスクかもしれませんが(;^^)
動いているととってもキュートなんですヨ。
まさに、生命を吹き込まれたという感じです。

こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします^^
by ミカエラ (2007-02-19 18:13) 

noric

面白そうですね。
by noric (2007-02-20 21:13) 

豆酢

これ観たかったんですよ、ミカエラさん!!
DVDになったら購入を考えています。…自分のために(^^ゞ。
遠隔操作で行われた撮影は、5年の長きに渡ったそうですね。気が遠くなるわ(^^ゞ。でもそうして精魂込めて作られた作品には、独特のぬくもりとパワーが宿ることになって。やっぱり素晴らしいものは、信念を持って作られるということですね。
by 豆酢 (2007-02-20 22:32) 

ミカエラ

■noricさん、こんにちは(^^)
以前、noricさんがご紹介されていたバカボンのDVD、私も見るので、
noricさんも、ぜひこの映画を見るのだ!(←バカボンのパパ風 (;^^))
by ミカエラ (2007-02-21 18:34) 

ミカエラ

■豆酢さん、こんにちは(^^)

>>DVDになったら購入を考えています。…自分のために(^^ゞ。
↑そうそう、大人でも十分楽しめます、
大人だからこそ、逆に新鮮に感じるかもしれません、ぜひぜひご覧下さい~。
記事に書き忘れてましたが、吹き替え版の声優さんが豪華なんですよね。
『銀河鉄道999』のテツローとかドラゴン・ボールでおなじみの野沢雅子さんとか、
それから『ヤッターマン』のドクロベー役、『ぶらり途中下車の旅』のナレーターの
滝口順平さんなどが当てているのだそうですよ~、
30年前のものを復元したそうでとても貴重ですよね♪
by ミカエラ (2007-02-21 18:35) 

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