パリ旅行 2006 *ギメ美術館* [パリ2006*Paris]
ギメ美術館は、リヨンの実業家であったエミール・ギメ(1836~1918年)が収集した東洋美術のコレクションをもとに開館し、現在ヨーロッパにおいての東洋美術の研究の中心となっている美術館です。
*インド美術*
『踊るシヴァ神』 インド南東 11世紀
この美術館の目玉というべき作品だけあって、なるほど全体の調和がとれていて、体の線も優美ですし軽やかに踊る姿が魅力的ですね。
火焔に包まれているという構図も威厳があります。
シヴァ神とは、ヒンドゥー教三神の一人で、世界を破壊する一方、恩恵を与える創造神でもあるとのこと…破壊されるも恩恵を与えられるも、人々の行い次第であるという戒めを込めてあるということなのでしょうか。
そういえば優しい笑みを浮かべつつ、邪鬼(?)を踏みつけている残酷且つ美しい姿には畏怖の念を覚えます(><)
*タイ美術*
タイ族最古の王朝である、スコータイ王朝時代(13~15世紀)の作。
タイ国史上最大の領土を誇った、アユタヤ王朝時代(15~18世紀)の作。
タイの仏像は、どれも人懐こい微笑を湛えていて、親しみやすいですよね。
この心安らぐ感じは、大胆な言い方をすれば人々の心を不安から救う、仏様の面目躍如たるものがある、というのか、これこそ本来のお姿なのではないだろうかという気がしてきます。
こちらは数年前、タイのアユタヤへ行った時に撮影したもの。
どんなに大きな仏像も、必ずこのように金色の衣を纏っていました。
人々にとても愛されているということが伝わってきます(*^^*)
*カンボジア美術*
Prajnaparamita ou Tara(?) Style du bayon
とっても美男子♪…(不謹慎><!)、美しいお顔立ちに惹かれて撮ってきた頭像。
しかーし、日本に戻って調べてみたら、Prajnaparamita(プラジューナーパーラミタ) もしくは Tara(ターラー)というのは、密教の女尊なのだそうです…がっくり(不謹慎?)
*中国美術*
元々は人々に崇められ、祈りを捧げられていた仏像であるということを忘れて、「こんなインテリア、いいな~♪」と思ってしまいました(;^^)
それだけ、展示室がシンプルで洗練されていたということです(言い訳~)
左端の千手観音様の手は、ひとつひとつ丁寧に彫られていて素晴らしかったです。
一本一本個別に造られたものを、本体に合体させたものなのでしょう。
その他、同じ仏教美術でありながら、まるで異教のような感覚にとらわれるチベットやネパールの美術品や、内戦によってその多くが失われてしまったのであろうアフガニスタンのガンダーラ美術など、貴重なものを数多く鑑賞することができました。
また、もちろん日本や中国の美術品もありましたが、韓国のそれも私には興味深かったです。
韓国は日本に最も近い国でありながら、中国と違って美術品を目にする機会が非常に少ないと思うので、今回はとても貴重な体験をしました。
地下鉄IENA駅を出てすぐのところに美術館はあります。
ヨーロッパの真っ直中のパリで、東洋の美術品を鑑賞するというのもなかなかおつなものですヨ。
皆さんもぜひ、この美しく静謐な美術館で、素敵なひとときを過ごされてみてください。
オススメでございます(*^^*)
ところで、ギメ美術館で多くの仏像を鑑賞する前に、ちょっとした知識を得ておくと、より楽しめますよね。
でも、あまり難しいお勉強は面倒…という皆さんに、こちらのエッセイはいかがでしょうか。
こちらは、いとうせいこうさんと、みうらじゅんさんの“仏友”コンビが、仏像を求めて旅するシリーズの海外篇。
仏像に勝手にニックネームをつけちゃったり、想像を描いてちょっとしたストーリー作ってしまったり、と、拝観した時のコメントがとにかく面白い!
また、みうらさんの笑えるコメント付きイラストも楽しくて、いつの間にか仏像や宗教についての簡単なお勉強ができちゃうという一石二鳥のエッセイです(^^)
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