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パリ旅行 (6) カルナヴァレ博物館、コンシェルジュリー、マドレーヌ寺院でコンサート 8/30(火) 午後 [パリ2005*Paris]

この日、午後からは、カルナヴァレ博物館、コンシェルジュリーを訪れた後、
夜はマドレーヌ寺院でコンサートを鑑賞しました(^v^)

*** カルナヴァレ博物館 ***

マレ地区にあるカルナヴァレ博物館は、16世紀の貴族の館を改修したもので、中庭が美しく手入れさた瀟洒な博物館でした。
ローマ時代から、20世紀までの、絵画、工芸品、家具などの室内装飾を、無料で見ることができます。
中でも私が楽しみにしていたのは、フランソワ・ジェラールの描いた『レカミエ夫人』(1805年)でした。

パリの社交界で、その美貌が憧れの的だったという彼女は、夫がある身でありながら、プロイセンのアウグスト公子と恋に堕ちました。
彼女は夫に離婚を申し出ますが、夫はこれを拒否。
諦めた彼女は、愛するアウグストに肖像画を贈ることを決めます。
当初、肖像画の作成をナポレオンのお気に入り画家であったダヴィッドに依頼しましたが、その仕上がりつつあるものが気に入らず、弟子のジェラールに再度作成を依頼して、このような素晴らしい肖像画が出来上がりました。
そして「私の心はこの絵と共に、永遠にあなたの元にあります。」というメッセージを添えて、贈ったということです。
この絵を眺めていると、愛する人への情熱的な想いと共に、夫へのシニカルな眼差しをも感じてしまうのは私だけでしょうか(;^^)

こちらは、レオナルド・ダ・ヴィンチを養護し、その最期を看取ったことで有名なフランソワ1世の肖像です。
ルーヴル美術館にある、フォンテーヌブロー派が描いたものが有名ですね。
彼の肖像画が、この博物館にもあるとは思っていなかったので、嬉しい驚きでした(^v^)v

ところで、この人の肖像画を見ていると、キム兄やんこと、木村祐一さんを思い出すのは私だけしょうかねぇ(;^◇^)

*** コンシェルジュリー ***


セーヌ川の中洲にあるシテ島に建つコンシェルジュリーは、14世紀にフィリップ美貌王がシテ王宮を修復・拡大したもので、革命期には約2年間で約2700人の囚人がここから断頭台へと送られたと言われています。
中でも最も有名なのが、マリー・アントワネットで、その他、ルイ15世の愛妾だったデュ・バリー夫人や革命家・ロベスピエールもここに収監後、処刑されました。



マリー・アントワネットの独房は実際にあった場所とは違うところに、彼女と監視の兵士の蝋人形が置かれ、再現されていました。
狭くて質素な部屋にはなんとか我慢できそうですが、すぐ傍に男性兵士が監視しているのは女性としては生理的に相当辛かったのではないでしょうか。
うつむいた彼女の人形を眺めているとなんとも哀れではあるけれど、何度も脱獄を図ったという事実を考えると、最期まで囚われた理由を理解できなかったのではないかと思ってしまいます。

母親のマリア・テレジアや兄・ヨーゼフ2世の再三の忠告を何故受け入れなかったのか…父親の楽天的な性格を受け継いだという説もあるようですが、個人的にはフェルゼンをはじめとする取り巻きたちに恵まれなかったことが最大の悲劇であったように思います(←他人のせい~)

その他の牢獄も蝋人形を使って再現してありました。
3タイプの部屋があり、貧乏人の囚人はわらの上で雑魚寝、自費を支払った囚人は簡素なベッドがある二人部屋、著名人は独房で机も置かれていました。

そして、その両性具有的な美貌と、冷酷な性格から、“恐怖の大天使”と呼ばれていたというサン・ジュストの肖像画も見ることができました。

― どの肖像画を眺めても、首が見えないほど高く絹のカラーを巻き、
ふさふさした髪と、耳には大きなイヤリングをぶらさげている。
唇は官能的に厚く、顔色は蒼白く、目には軽蔑の色がある。 ―
『異端の肖像』 澁澤龍彦著 より

厚い唇に、さげずんだような眼差し… ボイドちゃんに似てませんか!?
ちなみにボイドちゃんとは、私のお気に入りのファッションモデルです(*^^*)


サン・ジュスト    ボイドちゃん

夜はマドレーヌ寺院でコンサートでした。

祭壇上のシャルル・マロチェッティの彫刻を眺めながら聴く音楽は、格別なものがありました♪


バッハやシューベルトのアヴェ・マリアなど、厳かな曲の他、最期はヴァイオリンのソロ奏者が出てきて、神経質そうで自信家でありそうなその人が、自分の超絶技をみせつけるにふさわしいヴィヴァルディの四季で締めくくられたのでした(笑)




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迷い人

楽しく読ませていただきました。
「レカミエ夫人」
一瞬、「ミカエラ夫人」と読み間違いそうになりました。(そう言うと思ったと言わないでくださいましね...)

イザベル・アジャーニに似てませんか?
映画「惑い」を思い出してしまいました。
彼女が愛した男の顔が見たいですわ....

すぐ下のユニークな男性は、芸術を愛した好人物のようですけど、失礼ながらミカエラさまの指摘通り、そっくりでございます。(ふっふっふ)
肩出しルックが、変なお色気があって、思わず笑みが....

サン・ジュスト。
隣のボイドちゃんが、すてき。
口惜しいけど、似てるわ~。
でも、スタイルが絶対ボイドちゃんが上よと、ひそかに思ったり....

ミカエラさま、肖像画には、超美男はいなかったかしら~。
昔の美男の基準は木村祐一だった、ってことはないよね~~。
by 迷い人 (2006-01-11 19:02) 

ミカエラ

迷い人さん、こんばんは♪

>>イザベル・アジャーニに似てませんか?
↑ なるほど、くりくりおめめが似てますね!
彼女(レカミエ)も、男性にモテモテで、しかもそんな彼らをことごとく袖にしてしまったそうですよ。
そんな彼女のおめがねにかなった男性はきっと美男子なのでしょうねぇ、後で探してみますね(^v^)

サン・ジュスト&ボイドちゃん、そっくりではないけれど、パーツが似ているでしょう?
外見とは違って、冷たくて男らしい性格だというところも共通していると思うのです。
ボイドも同じように、一躍、時の人になって欲しいものですね~(*^^*)
今度、ボイドをモデルにサン・ジュストのイメージ画を描いてみようと思います。

>>ミカエラさま、肖像画には、超美男はいなかったかしら~。
↑ 居ましたよ~、たくさん♪
後でHPかブログ上で特集したいです。
美術館内で写真を撮るのが好きではなくて、それでもいくつか写してきたのですが、光が反射してよく撮れていないものが多いのです、とほほ。
by ミカエラ (2006-01-12 00:19) 

みんちい

ミカエラさん☆こんにちは

まずはキム兄さんとフランソワ1世の相似に笑わせてもらいました(>o<)
つい最近、辺○え○りさんと婚約した人ですね。

>レカミエ夫人
この頃のフランス貴族は、配偶者以外に恋人を持つのがあたりまえだったとは聞いてますが、レカミエ夫人、美貌でモテモテなのとあいまって堂々としていますね~(ウラヤマシイ) 駄目なら駄目で潔く別れ、絵画に思いを託す。昔の日本人なら手紙や和歌に思いを託して…でしょうか?
人と人の時間的、空間的距離が縮んだ今の時代では考えられないですね。

「ベルバラ」大好き少女でコミックスを持っていた私には、コンシェルジュリーとか、サン・ジュストと聞くと、池田理代子さんの描く世界がすぐに甦ってくるのです。ボイド君イメージぴったりですね~ 「ベルバラ」の中でもサン・ジュストはオスカルやアンドレを魅了してましたもの。

ロンドンのマダム・タッソーの蝋人形館にアントワネットの断頭台にかけられた首の蝋人形がありますよね。その顔が有名な肖像画とほんとに同じだったのが、コワかったです。あの肖像画は本人に忠実に描かれたんだな~と、その時、恐怖とともに妙に感動したのをを覚えてます。 気味のワルイ話ですみませんm(_ _)m
by みんちい (2006-01-14 12:28) 

ミカエラ

みんちいさん、こんにちは(^^)

>>つい最近、辺○え○りさんと婚約した人ですね。
↑ キム兄やんに反応して下さって、ありがとうございます(笑)
フランソワ1世の絵は、ルーブルにもあって、それらを見るたびに笑いをこらえるのに必死でした。
きっと周りは不思議に思っていたに違いありません(笑)
兄やんも、お料理が上手だし、楽しいし、魅力的な人なんでしょうね♪

>>レカミエ夫人、美貌でモテモテなのとあいまって堂々としていますね
↑ 記事に書くのをうっかり忘れてしまいましたが、225×145cmもある大きな絵なのです、そこからも、自分の美貌や情熱の堂々たるさまが伝わってきますよね。
レカミエ夫人は、ご主人とはカタチだけの結婚であったという説もあるみたいです、当時のブルジョワ階級ではありがちだったのでしょうね~。
そんなところを考えると、上で迷い人さんがおっしゃっているように、イザベル・アジャーニ主演の映画『イザベル・アジャーニの惑い』と似ているかもしれません。
未見でしたら、是非ご覧になってみて下さい(^v^)
http://www.elephant-picture.jp/madoi/top.html

>>ロンドンのマダム・タッソーの蝋人形館にアントワネットの断頭台にかけられた首の蝋人形がありますよね。
↑ おお!そうなのですか、教えて下さってありがとうございます。
みんちいさんは、行かれたことがあるのですね、いいな~。
マダム・タッソー館は、ロンドンでナショナル・ギャラリーとナショナル・ポートレートギャラリーと並んで是非行ってみたい場所なんです。
行く機会があったら、忘れずに見てきますね♪
by ミカエラ (2006-01-14 17:18) 

narinarita

いいな、パリ旅行。キム兄やんモデル説にnice!(笑)
by narinarita (2006-01-15 09:33) 

みんちい

おはようございます。
イザベル・アジャーニの「惑い」は未見です。
Storyを読んだら、それだけでせつなくなりました。
アジャー二のような美貌も、若い男との出会いもない私ですが、たぶん、自分の今の年齢で見ると「身に染みる」映画なのではないかと思われます… (T_T)

このような美術展があるので見にいってみようかと…
東京では去年すでに開催されていたようです。
http://www.nhk-sc.or.jp/event/marie/
by みんちい (2006-01-15 10:11) 

ミカエラ

成田さん、こんにちは♪

いつもナイスとコメントをありがとうございます~。
必死に記事を書いた甲斐がありましたわ(うるうる)
キム兄やん、超大物に似てるなんて、誇らしいですよネ。
by ミカエラ (2006-01-15 18:03) 

ミカエラ

みんちいさん、こんにちは♪

『イザベル・アジャーニの惑い』について

>>自分の今の年齢で見ると「身に染みる」映画なのではないかと思われます… (T_T)
↑ そうなのですよ~、アジャーニ演じるエレノールの“溺れてしまう”感覚がひしひしと伝わってきます。
最近、この映画の原作だという『アドルフ』という小説を読んだのですが、男性側の視点で描かれていますが、とても切なかったです、そして、男性の身勝手さも何故か少し理解できるし憎むことはできない…まさにエレノールと同じ気持ちを感じることができました。
オススメでございます(^v^)v

美術展のご紹介ありがとうございます! なんて、タイムリーなんでしょう、嬉しいです~。
今でも祖国では尊敬されているほどのテレジアと、嘲笑を買ったアントワネットの対極的な生涯を見比べる、面白い展示会ですね(←毒?)
以前、『華麗なるハプスブルク家5人の王妃の物語展』でテレジアの若い時の肖像画が日本に来たとき観ましたが、とーっても利発そうな美人で感動した覚えがあります。
美人と誉れの高かったアントワネットの少女時代よりも、私は美しいと感じました、またそれがくるのかしら~♪
by ミカエラ (2006-01-15 18:06) 

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