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映画 『ブラザー・サン・シスター・ムーン』 [映画 は行 *Movie]

ブラザー・サン シスター・ムーン

ブラザー・サン シスター・ムーン

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/06/25
  • メディア: DVD

*監督* フランコ・ゼフィレッリ
*脚本* スーゾ・チェッキ・ダミーゴ、 ケネス・ロス、 リナ・ウェルトミューラー
*音楽* ドノヴァン、 リズ・オルトラーニ
*出演* フランチェスコ: グレアム・フォークナー
          クレア: ジュディ・バウカー
           法王: アレック・ギネス
1972年 イタリア

*カンタンあらすじ*
13世紀、イタリアのアッシジの裕福な商人の家に生まれたフランチェスコは、
戦争から戻り、病で生死をさまよった後、神の声を聞き信仰に目覚め、
何もかも捨てて伝道生活へと入ってゆくのでした。

                            ****

中世に建てられた、林立する石造りの塔が映し出されたのを、ぼーっと観ていたら、現代の超高層ビル群と錯覚してしまいました。
アッシジが舞台となってはいますが、実際のロケ地はサン・ジミニャーノなのだそうです。
サン・ジミニャーノといえば当時の権力者たちが、富の象徴として競い合うようにして高い塔を建てたことで有名だそうで、現代の私たちの社会でもみられる光景ですね。
でも今のイタリアは、建物には高さ制限があるのでそれほど高いビルを建てることはないようですから、時代と逆行しているところが面白いと思います。

フランチェスコは戦争から戻った後、神の声を聞き、何もかも捨てて清貧に生きることを決めるのですが、親とも絶縁してしまうところが、キリスト教の“父母を敬え”という教えと反してはいないだろうか?と疑問に思いました。
お金儲けのことしかない父親はともかく、あれほど愛してくれた母親を捨てるとはどうも納得がいかないというか、違和感がありました、…聖人だからいいのかしら(;^^)

「この野に咲く花のように生きたい。」
アッシジの美しい大草原の中でたたずめば、私もこんな言葉がおのずと浮かぶかもしれません。
清貧に生きるとはどういうことか、このフランチェスコの台詞が教えてくれた気がします。
皆がそうなれば、諍いや犯罪は無くなって幸せな世界になる、ということなのでしょうが、今現実的に考えて、自分自身を守ろうとすると難しいですよね。
お金は捨てられなくても、せめて心だけでも清貧な人になれるよう努力します(;^。^)

最後にフランチェスコが法皇様に謁見を許される場面の教会を、どこかで見た教会だと思ったら、以前旅行したシチリア島パレルモのモンレアーレにあるドゥオモだったのでした(^v^)
祭壇の上部にはモザイクで出来た見事なキリスト像があり、お布施をすると(お金を装置に入れると)見学者の為に、ライトアップしてくれます。
文豪ゲーテに「世界一美しいイスラムの都市」と言わしめたというパレルモは、イスラム王朝に支配されていたこともあって、イスラム文化の影響を多くの教会や建物にのこしており、この12世紀に建てられたドゥオモにも、イスラム、ビザンチン、ロマネスクの融合した建築様式を見ることができました。

↓ そのドゥオモでお布施をして、頂いたカード。


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コメント 3

迷い人

まあ、ミカエラさま、1日早く帰ってきた甲斐がありましたわ。
ブラサーサン・シスター・ムーンは好きな映画なのです。
どこが好きかというと、映像がとてもきれいでした。
ドノバンの音楽と歌詞が心に沁みたのです。
大自然の映像と素朴な歌詞とメロディ。

ストーリーはミカエラさまの指摘どおり、親子の縁を切って一人立ちするシーンはうまくセリフで納得させられた感じはしましたが、不自然ですよね。
でもアレも一人立ちして去っていく映像美で、ぼけ~と見とれてしまいました。
トンネルを抜けて、向こう側が険しい大自然。
裸の主人公が手を広げるシーン、あの構図と絵には圧倒されました。
屋根で鳥を捕まえるシーン、少女と会話をする花畑のシーン。
キレイでした。

セリフがキレイすぎるきらいがあるのですけど、私はファンタジー映画の感じで観ました。
主人公のお父さん、あの性格はにくめない好いお父さんだと思いました。
両親はいい人たちでしたよね~。
すごい悪い人が出なかったという印象のある映画でした。

サクセスストーリ過ぎる批判もあるようですけど、
by 迷い人 (2005-12-09 22:28) 

迷い人

送信ボタンにポチッと当たってしましました、ほほほ。
気が抜けてしまいましたわ~~。

まあ、ミカエラさま、イタリアも行かれた事は、パメラさまがチラッと書いてましたが、こういう所を行かれたのですね。
フランスとイタリアとどっちに美男が多かったか、そっと聞きたい気分です....
by 迷い人 (2005-12-09 22:34) 

ミカエラ

迷い人さん、おはようございます♪
そしてお帰りなさいませ~。

迷い人さんに教えていただいたおかげで、素敵な映画を見ることができてよかったです、本当にありがとうございました(^^)

>>親子の縁を切って一人立ちするシーン
↑今まで大切に育ててきたのに、いきなり、「私はこれから乞食として生きてゆきます!」と言われたら、お母様がかわいそうですよね、その後、フランチェスコが出て行って、しょんぼりとお食事しているところを見て、更にお気の毒に思いました(T_T)

>>裸の主人公が手を広げるシーン、あの構図と絵には圧倒されました。
↑司祭と民衆の前でのシーンですよね、あの場面を「監督は、自分の趣味をこっそりあの場面にしのばせた」というようなことを仰っていた方がいました。
そういえば、グレアム・フォークナーはゼフィレッリ監督の好みの男性だ、と『ヨーロッパ映画の美少年たち』に書いてありましたね。

そうそう、昨日『美少年伝説―妖しい魅力を放つ映画の中の貴公子たち』という本を注文しました。
映画のお勉強の為に! (←大嘘)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4764817446/qid%3D1134161016/503-8004135-6144730
by ミカエラ (2005-12-10 05:43) 

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