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映画 『イザベル・アジャーニの惑い』 [映画 あ行 *Movie]

イザベル・アジャーニの惑い

イザベル・アジャーニの惑い

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2005/02/23
  • メディア: DVD


*監督* ブノワ・ジャコ
*脚本* ブノワ・ジャコ、 ファブリス・ロジェール・ラカン
*出演* エレノール: イザベル・アジャーニ
      アドルフ:  スタニスラス・メラール
2002年 フランス

*カンタンあらすじ*
19世紀フランス。ある田舎町に仕事で訪れた貴族で美しい青年アドルフは、
ある伯爵家のパーティで、その伯爵の愛人である、10歳年上のエレノールに一目惚れし、
彼女を誘惑しようと度々屋敷を訪れるようになりました。
最初は拒んでいたエレノールも遂には激しい恋に落ち、
子供まで捨ててアドルフと共に生きようとします。
しかし、そんなエレノールをアドルフはやがて疎ましく思うようになってゆくのでした。

                          ****

この映画の原作はフランスの文学作品である、コンスタン著の『アドルフ』だそうで、アジャーニは16歳の時からこれを愛読し、一生の愛蔵書にしたいというほどの惚れ込みぶり。
コンスタン自身もかなりの女性遍歴を重ねてきた人だそうで、その自伝的小説なのだそうです。

原作の小説では題名からしてアドルフの視点で描かれているのでしょうが、映画の中ではあまりにもイザベル・アジャーニが圧倒的な存在感なので、陳腐に感じた邦題『イザベル・アジャーニの惑い』で納得です(笑)
撮影当時の彼女は50歳くらいだそうで、しかしまるで少女のように可憐で、子供をあやしている姿さえも不自然に見えるほどでした…ちょっと怖い(笑)
愛のない、愛人としての生活しか知らないエレノール(アジャーニ)が、10歳も若い男性によって目覚めさせられたら、それはもう止められないでしょうね、でも同じ女性として、10年後のふたりの姿を想像したらかなり悩みそうです。

アドルフ演じるスタニスラス・メラールは、アジャーニ曰く“どこかためらいがちで、捉えどころがなく、周りの人々は彼の考えが理解できない”という人だそうで、まさにハッキリしないアドルフと似ていてハマリ役という感じ。
メラールも脚本(原作?)を読んで「これは僕だ。」と言ったとか。
アドルフには全体を通してサディスティックな印象を抱きますが、「この男に災いあれ、手に入れたばかりの女の腕の中で、別れを予見するとは…。」という台詞から、私は彼に自虐的な面も感じました。
独善的な父親しか出てこないところをみると、何か女性に対してのトラウマとかコンプレックスがあるのかも知れませんね。
そこらへんのエピソードがあるかもしれないし、映画全体の詩的な台詞が、映像を見ながらだと注意深く聞くことができなかったので、是非小説を読んでみようと思いました。

メラールは、5歳の時にピアノを始め、才能に限界を感じた22歳の時からピアノに触れることさえ止め、後に家具職人を目指したという経歴の持ち主。
また、「実際にピアノが弾ける役者をピアニスト役にすべき」、という考えからミヒャエル・ハケネ監督が『ピアニスト』の出演のオファーを出すも、その考えに疑問を抱き、それを断ったということです。
そのエピソードの他、彼の『アドルフ』について語っているインタビューが公式サイトに載っています。
アドルフという人物について、また映画について達観していている様子で、私はこの文章に魅力を感じ、より彼に興味を持ちました。
知的で繊細…実にエキセントリックな匂いのする俳優さんで、今後が楽しみです(*^v^*)

公式サイト→http://www.elephant-picture.jp/madoi/


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迷い人

この映画は観ました。
ジャケ借りってやつです。
男性が金髪肩までという人だったからです。

私はこの女優さんはとても好きなのです。
撮影当時50歳ですか!
全然見えません。
まさしく彼女の映画でした。
アジャーニがこの原作を少女の頃から愛読書にしていたとは。

「ピアニスト」を振ったとは....
けっこういい監督や、相手の女優に大物が来る役者さんみたいですね。
どうもアジャーニの可愛い&綺麗ばかり目立って、よく覚えていないのです。
今度彼の映画を観る時は、よーく見ます~。
by 迷い人 (2005-11-21 14:54) 

ミカエラ

迷い人さん、こんにちは(^^)

“ジャケ借り” ←(笑)
私のジャケ借り作品は、スーザン・サランドンとジェームズ・スペイダーの『ぼくの美しい人だから』です。
これは“タイトル借り”でもありましたが(笑)
この作品からジェームズ・スペイダーのファンになりました。

イザベル・アジャーニ、若いですよね~(@。@)
そのことについて触れていないレビューはないほどで、皆さんの驚愕振りがよく分かります。

メラールが『ピアニスト』を断ったのも凄いけれど、彼女はもっと凄くて、オファーを断った作品が『氷の微笑』『ナインハーフ』『危険な情事』『幸福の条件』…みんな大ヒット作で、さすがに少しは後悔したのではないでしょうか(:^_^)
by ミカエラ (2005-11-21 17:55) 

迷い人

反応早すぎです。
でも書かずにいられません!
ジェームズ・スペイダー!
かなり昔に、彼が16歳くらいで出た学園物の映画をWOWOWかNHKで観ました。
ものすごーーーく目がキラキラキラ~で、たちまち好きになりました。
ところが題名調べたらどうもよく分りません。
プリティインピンクじゃないです。
とにかく、それ以来ずーーと見てます。
でも年齢あがった頃からちょっとお熱がダウンしましたけど...

「セックスと嘘とビデオテープ」の彼がなぜか一番好きです。
どうも、母性本能くすぐる役がツボのようです。
クラッシュで男とキスしたとき、はうう!でした。
もうちょっと綺麗な男とであれば.....
ゲイムービーはとても好きなのですけど、お気に入りの俳優の場合、相手が良くないと悩みますわ。
虎様が俳優の道を歩まれて、いつかゲイムービーに彼が挑戦したら....
ミカエラさま、豆兄さまもゲイムービーに出てらしたとか。
アラ、ちょっと話がわき道へそれましたわ。

若い時、ジェームズはアンドリュー・マッカーシーの敵役が多かったのですが、なんであんなに美形なのに嫌味な役なの~と嘆きました。
by 迷い人 (2005-11-21 19:35) 

ミカエラ

迷い人さん、こんばんは♪

反応早いのは、迷い人さんの特技ですよ~、羨ましいです。

スペイダーの学園もの…『レス・ザン・ゼロ』でしょうか。
『セックスと嘘…』はスペイダーファンには人気がありますね~、いつもアイスティーを飲んでいるのが印象的で、それから私も夏にはよく飲むようになりました(笑)
『クラッシュ』もやっとレンタル店で見つけてとても嬉しかったんですが、内容はちょっと好みではありません(;^^)
やっぱり『僕の美しい人だから』が好きです。
ヒロイン(サランドン)の話にじっと聞き入っている時の彼の顔が、アップになるシーンがあるのですが、それがとても美しくて感動しました。
もし私が彫刻家だったら、一番に作品としたい顔NO.1です(*^^*)
『セクレタリー』はご覧になったことがあるでしょうか。
スペイダーが弁護士で、その秘書を自分好みに調教するというストーリーなのですが、それほど過激ではありません(;^^)
歳を取っていて、さすがに全盛期の美しさはないのですが、やっぱりあの神経質そうなお顔は素敵です♪
彼もガエル君同様、ルックス+演技力も備えた実力派俳優さんですね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009XLL1/qid=1132665849/sr=8-1/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-3519205-4749820
by ミカエラ (2005-11-22 22:24) 

カポ

ミカエラさん、迷い人さん、こんばんはw
まぁ~、アジャーニ、メラールの話から 「レス・ザン・ゼロ」のマッカーシーやスペイダーのお話まで・・、嬉しくて思わず反応してしまいました。
この映画、フランス映画祭のクロージング作品で とても観たくて観られなかった作品でした。
この時、メラールも来日していて 私はラッキーなことに生メラールとすれ違う事が出来たのですが DVDでアジャ様が語っていらした通りに 本当に寡黙な中に深い想いを持った人だというオーラが出ていました。
そうそう、メラールの「ピアニスト」観てみたかったですねぇ~
ユッペール女史に負けず、何を考えているか分からないメラールとの共演は かなり強烈な作品になっていたでしょうね。
いや、マジメル相手でも十分に強烈でしたけどね、この作品・・(^^;)

この「惑い」は刺激的な作品でしたね。
遊びの恋を仕掛ける相手を間違えたアドルフの困惑と  偽りの恋と知りながら激しく燃え尽きてしまったエレノールの悲劇が素晴らしい映像となって胸に迫るものがありました。
かなり好きな作品です~♪
アジャ様・・、私もほぼ同年代なんですが 何でこんなに若いの?美しいの?秘訣を教えて欲しいものです!!(願)

スペイダー・・、私は若い頃の彼は甘すぎてちょっと苦手でした。
「レス・ザン・ゼロ」はアンドリュー目当てでしたが 見終わったら この作品はR・ダウニー・jrの作品だと気が付きました。(^^;)
でもスペイダーは やはり「ぼくの美しい人だから」で あら・・イイわ・・と方向転換!
それからは注目して いろんな作品を観てみましたが やはりこの作品が一番好きかなぁ。。
「セクレタリー」は 観ながらクスクス笑ってしまいました。
あの神経質なスペイダーは 逆にセクシーだったりしてね!?(笑)
細かな演技も行き届いて さすがに演技派の実力を見せつけていましたっけ。
by カポ (2005-11-24 00:15) 

迷い人

カポさん、こんにちは~。
カポさんの書かれてる内容も、実に濃いですわ。
アンドリュー・マッカーシーはたしか、カポさんのお気に入りの俳優さんだったですよね。
生メラールとすれ違いだなんて!
う、うらやましい.....
ピアニストの話が出てるので少し書かせてくださいね。
ホントに偏見が入ってます。
女が男にこうして欲しいと手紙を渡して、男が読むシーン。
あそこですね、フフ。
いろいろぶっ飛んだ注文が出るのですけど、男の表情が曇るんですね。
監督は昼メロのパロディ映画だと言ってます。
私はマジメルが女の願いをかなえてあげたらいいのにと、女のほうを応援してしまいました。
切ない女の映画でした。
でもあの手紙の展開はユニークで、あの映画に個性を与えてましたわ。
ほんとにメラールだったらどんな感じになっていたでしょう。

アンドリューはマネキンが可愛かったです。
ジェームズは眼鏡かけた嫌味な上司役だったような。
このふたり、コンビ多かったことないですか?
アンドリューも好きでよく観ました、なつかしい...
by 迷い人 (2005-11-24 12:11) 

ミカエラ

カポさん、こんばんは(^^)

コメント&トラックバックありがとうございました、とても嬉しいです!
早速、私もさせていただきました。

>>生メラール
↑なにやら色っぽい響きですね~(*^m^*)
スタニスラスっていう名前も、フランスというよりはロシアっぽい気がしますがハーフなんでしょうか。
生のメラール…きっと優雅な物腰だったのでしょうねぇ(うっとり)
『ピアニスト』は惜しいことをしましたが、マジメルも素敵でしたね。
確かピアノを猛特訓したのではなかったかしら。

>>遊びの恋を仕掛ける相手を間違えたアドルフの困惑と
↑確かに! 別れると豪語したわりには離れられずにいたところを考えると、“アドルフの惑い”でもあるわけですね。

アンドリュー・マッカーシー、最近は見かけませんがどうしているのでしょう。
彼の映画は『恋のスクランブル』という、ロブ・ロウと共演の映画を観たことがあります。
確かジョン・キューザックも出ていたような…。
年上の女性と恋に落ちるのですが、その女性は親友(ロブ)のお母さんだったというお話で、そのことがバレてから女性が戸惑い離れていこうとするけれど、アンドリューは諦めきれず…というところが、アドルフの逆バージョンみたいですね(^v^)

そうそう、もうご覧になったかもしれませんが、pamelaさんのルーバクオーリ様に新しくガルコのお部屋が開設されましたよ~。
素敵なお写真が沢山あって大興奮です♪
by ミカエラ (2005-11-24 20:08) 

ミカエラ

迷い人さん、こんばんは(^^)

>>私はマジメルが女の願いをかなえてあげたらいいのにと、女のほうを応援してしまいました。
↑私もそう思いましたよ~、どんなお願いしたか忘れてしまいましたが、それほど難しい要求ではなかったような…。
まだ、学生で女性経験もそれほどない彼には無理だったということなのかも知れません。
メラール版、更に暗~い絵図になりそうですね(;^^)
でもいつか彼のピアノ聴いてみたいです。

そうそう、迷い人さんが教えて下さった『ブラザーサン・シスタームーン』観ましたよ♪
アッシジののどかな風景に癒されましたわ~、と思ったら、撮影地はサン・ジミニャーノなのですね。
冒頭の連立する塔が、一瞬、現代の都会のビルに見えました。
ローマ法王様役、迷い人さんの好きなアレック・ギネスでしたね。
とても素敵な映画でした、ゼフィレッリの映画、次は『トスカ』観る予定です。
また、オススメが有りましたらどうか教えて下さい(*^v^*)
by ミカエラ (2005-11-25 23:54) 

カポ

ミカエラさん、こんにちは♪
この映画は語り尽くせないほど 深い想いが渦巻く作品ですね。
キャスティングが素晴らしかったと思います。
そうそう、アドルフの友人役で お気楽な貴族のボンボンを演じるロマン・デュリスが居ましたよね。
何だか場違いの笑顔が可愛かったぁ。。。(笑)

アンドリューはね、今も活躍しているのですが 今年はショートフィルム作品の監督で 世界中の賞を総なめにしちゃいました。
ショートフィルムなので 観ることは叶わないかもしれないけれど 宗教観を描いた素晴らしい作品だったようです。
「恋のスクランブル」懐かしいーー!!
そうです、キューザック居ました、居ました、すごく可愛かったですよね。
アンドリューの恋のお相手はジェクリーヌ・ビセットで この映画がキッカケで二人は少しの間、同棲していたらしいです。
ビセットも大好きな女優さんだわ。。

pamelaさん情報、ありがとうございました。
早速 お邪魔しに伺いますね、ドキドキしますわ。。(笑)

迷い人さん、ピアニストの解説、素敵ですわ~
そうですよね、この映画のテーマを見逃すと カンヌ映画祭で席を立ってしまった人が多かったと聞きますが もったいない・・と思います。
切ない女のお話・・と言われる迷い人さんの言葉に尽きますね。
乾いたおんな心を あんな風に滑稽に憐れに演じられるのは やはりユペールを置いて他には居ないでしょう。

ジェームズとアンドリューはコンビの作品が多いですよね。
いつもジェームズがアンドリューをいじめる構図。(笑)
二人とも 素敵な中年になってくれて嬉しいです~
by カポ (2005-11-27 12:02) 

ミカエラ

****映画『トスカ』は、ゼフィレッリではなくて、ブノワ・ジャコ監督作品でした、
すみません~m(_ _)m****
by ミカエラ (2005-11-28 01:06) 

ミカエラ

カポさん、こんばんは♪

ロマン・デュリス、出てましたね!
『ルパン』や『真夜中のピアニスト』に出て最近活躍してますね、どちらも未見ですが(;^^)気になっていた映画です。
だからなのか、私にはちょい役ながら、彼が光って見えました(←単純)
特に後者は、映画のためにピアノを猛特訓して、驚くほど短期間で習得してしまったとか。

アンドリュー・マッカーシー、今は監督さんですか。
俳優でも成功した上、監督としてでも活躍できるとは、映画に携わる者として冥利に尽きるのではないでしょうか。
願わくばメジャーな作品で楽しませて欲しいですね~(^v^)
『恋のスクランブル』、一度テレビで偶然観ただけなのに、とても印象に残っているんですよ。
例えば最初はとてもオクテだったのに、年上の女性と経験した途端、急に大人びて余裕が出てきたところとか、バーバリーのショップでジャケットを買ってもらうはずだったところとか…(←そこかい!)

>>ジェームズとアンドリューはコンビの作品が多いですよね。
↑『マネキン』もそうなのですね、今度探して借りてきます~!
『恋の…』でロブ・ロウにもからかわれてたし、なんだかアンドリューっていじめられキャラですか(笑)
by ミカエラ (2005-11-28 01:07) 

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