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シュツットガルトバレエ 『ロミオとジュリエット』 全3幕 [バレエ*Ballet]

11/12 (土) 18:30開演 東京文化会館

*振付*     ジョン・クランコ
*音楽*     セルゲイ・プロコフィエフ
*装置・衣裳* ユルゲン・ローズ
*出演*     ジュリエット: スー・ジン・カン
          ロミオ   : フィリップ・バランキエヴィッチ
          ティボルト : イヴァン・ジル・オルテガ
          マキューシオ: エリック・ゴーティエ
          ベンヴォーリオ: マリジン・ラドメイカー

*あらすじ*
14世紀イタリアのヴェローナ。
反目するモンタギュー家とキャピュレット家、街中では両家の若者たちの諍いが絶えません。
ある日、キャピュレット家の舞踏会に忍び込んだモンタギュー家の息子・ロミオは、
キャピュレット家の娘・ジュリエットに出会い、ふたりは恋に堕ち、密かに結婚します。
その後、街中でロミオの友人・マキューシオが、キャピュレット家のティボルトに殺されたことに
逆上し、ロミオはティボルトを殺害してしまいました。
ロミオはヴェローナを追放され、悲しむジュリエットはロレンス神父に助けを求めます。
ロレンスは彼らを助けるため、ジュリエットに仮死状態になる秘薬を渡します。
薬を飲んだジュリエットを死んだと勘違いした家族たちは、彼女を埋葬。
計画を知らされていなかったロミオは、彼女が本当に死んだと思い込み、
彼女の傍らで自ら命を絶ってしまいます。
やがて目覚めたジュリエットは事態を悲しみ、彼女もまたロミオの後を追ったのでした。

                          ****

 数年前の世界バレエフェスティバルでの『リーズの結婚』を観て以来、ずっと会いたかったフィリップ・バランキエヴィッチ…やっと会えて嬉しかったわ~、嬉しかったのですが…(;^◇^)

■第一幕■ 舞台はイタリアのヴェローナなのですが、フェルメールの描く人物や風景画のようで素朴な雰囲気でした。
『オネーギン』でもそうですが、舞台装飾と衣裳が全幕通してとても素敵だったと思います。
全ての場面が奥行きが感じられるセットで、舞台が広々としているように見えました。
ここの第一場、市場でロミオとマキューシオ、ベンヴォーリオが三人揃って踊るところが、息も合っていてとっても楽しそう♪
特にベンヴォーリオが良かったです、あの輝くブロンド (*▽*)
個人的にはロミオは長めで揺れる髪がいいわ~。
彼は今はまだ準ソリストだそうで、早くプリンシパルに昇格して今度はロミオとして来日して欲しいです。

第四場のキャピュレット家の舞踏会場、ここで流れる音楽が大好きなんです♪
なにやら不穏な空気が流れていそうで…そんな中、最前列で踊るイヴァン@ティボルトも、思いっきり悪者ぽくてイイ感じでした。
パリ・オペラ座公演(TV鑑賞)の、シャルル・ジュドのティボルトも妖しくてよかったなぁ、主役の二人よりも印象に残っています。

第五場のバルコニーでのシーンでは、どうしてもバルコニーというよりは“橋”に見えて仕方がありませんでした(笑)
でも、広々としているので観やすかったです。
最後、ロミオが走り去る時に、「はあ~」っと大きくため息をつきました。 う~ん、セクシー(≧▽≦)

■第二幕■ 市場でのカーニバルで、道化たちがアクロバティックな踊りを繰り広げます。
そういえば、スペイン風の踊り子さんたちも、素晴らしい軽業を披露していました。
写真で観るとても派手な衣裳も、舞台に溶け込んでいてあまり浮いていないところがいいですね、こういうところにセンスを感じます。

修道院の場面、のどかな田園風景はイタリアのアッシジを思い浮かべました。
もしかしたらユルゲンさんもそれを意図して作ったのかも!?

■第三幕■ ジュリエットの寝室でのパ・ド・ドゥ。 大きく開いたドーム型の窓がいいですね~。
…そして最後は、キャピュレット家の地下墓所のシーンへと移り、完結です。

実は、あまり熱狂できませんでした、こみ上げてくるものもなかったですし…。
これは個人的に期待しすぎたせいかしら、と思いましたが違うと思います。
同じように感じられた人も多かったのではないでしょうか。
技術的には最高というか、問題はないのでしょう、丁寧にきちんと踊っていたと思います。
でもそれが面白味が無かったのではないかと思うのです。
例えば、私が大感動したマトヴィエンコとシオマーラ・レイエスとの新国立劇場の公演では、シオマーラは元気なあまり、スッテンコロリンと転んでしまうほどだし、マトヴィも、止められないのでは!?と思うほどの勢いのあるダイナミイクな踊りで、また、ジュリエットの手紙を受け取った時、嬉しさのあまり乳母にキスするところも、チュッ♪と大きな音を立てて、会場の笑いを誘う実にチャーミングなロミオでした。
上手く言えないけれどつまり、演技の部分で喜びと悲しみのメリハリがいまひとつだったと思うのです。

もしかしたら、そんな会場の雰囲気をバランキエヴィッチ君は感じたかもしれません、カーテンコール時にちょっと表情が曇っていたように見えました、スー・ジン・カンのほうはそれほどでもないようにみえましたが(;^^)
でも、悲しい思いをすることは決して悪いことではないし、これからのキャリアにきっと役立つことでしょう。
私と同じく『リーズの結婚』で彼を魅力的だと思った人は沢山いるようです、だから彼には、もっと感動できるバレエをみせることが絶対出来るはずなのです。
だから、今は恋人や家族にたっぷり癒してもらって、また頑張って欲しいです。
…って、落ち込んでると勝手に思い込んでいますが(笑)
とにかくこれからも陰ながら応援しています(^▽^)v

↓映画『ロミオとジュリエット』。 オリビア・ハッセーの可愛らしさにビックリ。
今度彼女の最新作『マザー・テレサ』が公開されますね。

ロミオとジュリエット

ロミオとジュリエット

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2005/10/21
  • メディア: DVD


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コメント 2

迷い人

 まあ、ロミオとジュリエットだなんて...
こんなロマンチックな悲恋なら、バレエで演じたら素敵そう....
そうそう、ふたりが出会うシーン。
仮面舞踏会でふたりは強く惹かれながら踊るの。
ほんとにバレエにぴったりのストーリーだわ。

  映画ではあの音楽がムードを盛り上げてましたが、バレエは音楽は映画とは違うのでしょうか。
もちろん違いますよね。

 バルコニーでの逢瀬は、映画では何度も何度もキスでした。
バレエではどうやってあのふたりの熱情を表現したのかしら。

 シオマーラさんの話、おもしろいですわ。
すってんころりんと転んでも、観客は全体の踊りと演技に満足してたら、気にしないのですね。
私、バレエで転んだらとてつもない失敗だと思ってましたわ。
チマチマした踊りより、転ぶことを恐れない、元気のあるメリハリのきいたのが見応えがあるのですね。

  この古い名作映画、最近また観ました。
なので、細かいところまで覚えてます。
レナードもオリビアもとても素敵でした。
この監督は人選を妥協しない人ですわ。

 ミカエラさま、バレエの記事読み応えありますわ。
また行かれたら詳しく書いてくださいね。
舞台の描写読むと、乏しい想像力ですが、そこで踊ってる姿を想像して楽しみました。

 
by 迷い人 (2005-11-14 23:09) 

ミカエラ

迷い人さん、こんばんは♪

映画でのニーノ・ロータの音楽は切なくて最高ですよね。
でも、バレエのもとても素敵な音楽です。
生演奏で聴けるところも、バレエの魅力のひとつだと思います。

>>バルコニーでの逢瀬は、映画では何度も何度もキスでした。
↑バレエでもキスはするんですよ、公演によっては何度も♪
でも今回はそれほどしなかったと思います、だからと言うわけではないのですが、
私にはあまり愛し合っている二人には見えませんでした(;^^)
そういう部分って、振付によるのかアドリブなのか、実は勉強不足で分かりません。
誰にもそんなこと訊けないし…(笑)
そうそう、ロミオがバルコニーにぶら下がって愛を囁く場面もありました、こういうところはバレエならではという感じですね。

オリビア・ハッセーの映画の他に、ディカプリオのもありますよね、そちらは未見です。
それは現代版というこてで、少しひねってあるのかと思いましたが、あらすじを読んだらモンタギュー家、キャピュレット家というように名前まで一緒なのですね。

こんな記事にコメント下さってありがとうございました(;^^)
バレエの感想を書かれる方々は、皆さんとても詳しくて、真面目に書かれるので、私のような者がアレコレ言うのもお恥ずかしいのですが、また次の公演に行く時に参考になるように書き留めておきたかったのです。
by ミカエラ (2005-11-15 19:25) 

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