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パリ旅行 (4) ルーヴル美術館、サンジェルマン・デ・プレ教会 8/29(月) [パリ2005*Paris]

この日はルーヴル美術館を、彫刻を中心に、まずはリシュリュー翼にあるマルリーの中庭から、開館から閉館時間間際までを費やして見学しました。
その後、サンジェルマン・デ・プレ教会に行きました。
以下は、美男子作品中心のミカエラ的鑑賞の写真&感想です(笑)

**** フランス彫刻 ****

エドム・ブーシャルドン作
『ヘラクレスの棍棒で弓を作るキューピッド』 1739年~1750年

ルイ15世の注文により作成。
しなやかに螺旋を描いた身体の自然さが、当時のヴェルサイユ宮殿の人々に衝撃を与えたという作品。

**** イタリア彫刻 ****

アントニオ・カノーヴァ作
『キューピッドとプシュケ』 1793年

魔法の香りを嗅いで永久の眠りについたプシュケを、キューピッドが生き返らせるという主題。
とにかくカノーヴァの作品はどれも、滑らかで気品があって本当に素敵です。
大理石自体がとても美しい…きっとこの作品もイタリアのカッラーラ産を使っているのでしょう。
まあ、どこ産かなんて見分けはつきませんが(;^^)
この写真は、午後9時まで開館している水曜日に、夜8時過ぎに再度行って撮影したものです。

↓ちなみにこちらも輝くようなフランソワ・ジェラール画の『キューピッドとプシュケ』(ルーヴル美術館蔵)
神話によると、アフロディテ(ヴィーナス)はプシュケのあまりの美しさに嫉妬したので、プシュケが醜い男と結婚するよう息子のエロス(キューピッド)を差し向けました。
しかし、エロスは誤って自分の胸に恋の矢を刺してしまい、プシュケに恋してしまうのです。
後でご紹介しますが、ジェラールの作品ではカルナヴァレ美術館蔵の『レカミエ夫人の肖像』もとても素晴らしい作品です♪

**** 古代オリエント美術、イスラム美術 ****

『アッシリアの有翼人面牡牛像』 紀元前721年~705年
コルサバード アッシリアのサルゴン宮殿出土

サルゴン2世が新しい町を建設し、その城塞の中に建てた宮殿の門を守っていたもの。
この人面牡牛像はラマスと呼ばれる守護神で世界の基盤を守っていると信じられていた。
足は5本あり、正面から見ると止まっているが、横から見ると歩いている。

↑(写真)お兄ちゃん、ジャマ!…と思ったけれど、彫像がどれくらいの大きさかが分かるので良かったわ、ありがと~(笑)

**** 古代ギリシャ、エトルリア、ローマ美術 ****

『まどろむヘルマフロディトス』 紀元前2世紀のオリジナルが元の、ローマ時代の模刻

これはヘルメスとアフロディテの息子で、彼に恋するニンフのサルマキスの願いで二人は一体となり、両性具有となったヘルマフロディトスの姿。
この人体像を横たえるための寝台は、バロックを代表する彫刻家・ベルニーニによるもの。

この彫刻が見たくて今回パリへの旅行を計画しました。
両性具有だという神秘的さと、柔らかそうなマットレスに寝転んでいるところがとても興味をひかれたのです。
私は人体とマットレスは同じ時代に作られたものだと思っていたのだけれど、寝台は巨匠の手によるものだったのですね!
とてもユニークで素晴らしいと改めて感動しました。
↑の写真の角度からだと“女性的”に見えますが…
↓これは、“男性的”に見えます。(私だけ?)
片足を乗せているところが可愛いですね。

皆がじろじろ眺めるけれど、“我関せず”といった風で、日の光を浴びてすやすやと眠っていました。


『サモトラケのニケ』 紀元前190年頃

頭や手が無いことで、ミステリアスな幻想的な美しさを感じるのだと思います。
ちなみにこの像のレプリカが、パリのコンコルドラファイエットホテルのロビーに置いてあります。
お泊りの際は、是非お見逃しなく~。


『ミロのヴィーナス』 紀元前100年頃

昼間は凄い人だかりです、水曜は午後9時まで開館しているので、後日夜に再度行ったらとても空いていて心ゆくまでじっくり眺められました。


『アンティノウス』

アンティノウスは、ローマ帝国の14代ハドリアヌス帝に寵愛された美しい青年です。
アンティノウスがナイル川で若くして事故死したことを非常に嘆いたハドリアヌス帝が、彼を神格化し神殿や都市を築き、また彼の像を国中に建てたいう話が残っています。
この写真を撮った時は、アンティノウスとはどういう人物なのか分からず、ただとても美しかったのでひたすら撮影しました。
帰ってきて、この人物について調べてみて、伝説の美青年だと知って大喜び!
私の美男子発見センサーもなかなかのものだわ~(笑)


『ガニュメデス(?)』 
…と下のプレートに書いてありますが、胸像の台座には Parisとあります。


『カリギュラ帝』 と 『暴君ネロ』

公式サイト↓ バーチャルツアーがとても楽しいです。
『モナ・リザ』の部屋などの絵画の部屋もみられますが、彫刻のお部屋なら、ドゥノン翼1階の『ミケランジェロの奴隷』と『古代エトルリア・ローマ彫刻23』が個人的にはオススメです。
後者は、ルーヴルが宮殿として造られたことを彷彿とさせる美しい模様の大理石の床や、華麗なロカイユ装飾が施された天井なども見られます。
赤い壁際に、歴代ローマ皇帝たちの像や胸像がずらりと並んでいて壮観です。
http://www.louvre.or.jp/
この日の昼食は、ルーヴル美術館内にある『カフェ・ドゥノン』で食べました。
カルト・ミュゼ・モニュマン(美術館共通フリーパス)も持っているので、外に出掛けてもいいのだけれど、とにかく疲れていたのでそんな気力はありませんでした(笑)
ギャルソン(ウェイター)はとても忙しそうだったけれど、必ずお料理を出す時には「ボナペティ♪」と言ってくれます、素敵な習慣ですよね(^^)

ルーヴル閉館後6時過ぎてから、パリで最古の教会であるサンジェルマン・デ・プレ教会に行きました。
もう夜だというのにミサを行っていたため、見学はそろりそろりと…気を遣いました。
そして暗かったし、あまりよく覚えてません(;^^)
夕食は、チャイニーズの『ル・カントン』で。
http://joho.nta.co.jp/sight_info.asp?siteID=5130&site_type=s


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コメント 4

迷い人

 素晴らしい記事です。
どの写真もじっと見つめてしまいました。
その中でも、上から3番目と、ミロのビーナスの下の美男像に見惚れてしまいました。

 美男像は、ミカエラさまが描いたアレキサンダーを彷彿させます。
気品がとても似ております。

 ミカエラさまが今度の旅行の目的だった、両性具有の彫刻、ここで教えてもらうまで、全然知りませんでした。
実に興味深いです。
なるほど、後ろから見ると、肩が広く見え、男性的な感じに映ります。
不思議ですね.......

ミロのビーナス。
実際にこの目で見えたら、感動は計り知れない気がします。

 素晴らしい記事ありがとうございます。
しかし、ミカエラさまの体力には脱帽です。
夜、2回目行かれたり、情熱に驚かされました。

 またの記事を楽しみにしています。

 
by 迷い人 (2005-10-04 21:07) 

ミカエラ

迷い人さん、こんにちは(^^)

こんなミーハー記事を褒めて下さってありがとうございます(嬉涙)

>>上から3番目と、ミロのビーナスの下の美男像に見惚れてしまいました
↑ジェーラールの『キューピッドとプシュケ』は、この写真の映りが良くないので分かりにくいのですが、優しく光り輝いているのです。
それから頭のところに蝶が飛んでいるところも可愛いですよね♪
ブーグローの『キューピッド…』も有名みたいですが、こちらよりなまめかしくなくて、又、キューピッドの愛情が感じらるのでジェラールのものが好みです。
ブーグローのはこちら↓
http://art.pro.tok2.com/B/Bouguereau/boug100.jpg

アンティノウスの胸像は本当に美男子で、私の他には誰も見ていなかったということもあって、他の角度からも夢中で写真を撮りました(*^o^*)
ローマ帝国の五大賢帝のひとりであるハドリアヌス帝に溺愛されたという事実を知って、狂喜乱舞してしまいましたわ(笑)
これから彼らについて、少しづつ調べていこうと思っています。
まずはこちらの本から(^m^) ↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4336040109/250-2105472-2008224

ミロのヴィーナスは、人体学的にどーのと言われてもわかりませんが(;^^)、この時代の彫刻が残っているということが価値のあることみたいですので、その意味でこの彫刻を見られたことは素晴らしいことだと思いました。
迷い人さんも是非ご覧になってみて下さい!
水曜日の夜が空いていてオススメですよ~。
by ミカエラ (2005-10-06 16:23) 

みんちい

ミカエラさん 
…ちょっと遅いのですが 
お誕生日おめでとうございます!幸せな一年をお過ごしくださいね。

こちらの常連さんはミカエラさんをはじめ天秤座の方が多いのですね。
ここだけの話、同じく天秤座の私も嬉しくなってしまいます。私の場合、蠍座寄りですが…

BBSでは常連の皆様の素敵なイラスト付きのお祝い、私まで楽しませてもらいました…。ミカエラさんはじめ、皆様サイト運営なさっているのに、イラストまで描かれるのですから、素晴らしいです!!!

パリ旅行記 今回は彫刻なのですね。一つの作品を求めて出かけられるなんて贅沢です。そしてミカエラさんの「美」に対する情熱を感じました。

アンティノウス、美青年ですね。 先日のベルリン至宝展にあった黒い大理石の小さな像は、川で溺れちゃったというエピソードとあいまって、正直そんなに美青年?と思いましたが、この像はその面影をしっかりと伝えてますね。千年以上前の人物が今も人を魅了するなんて。
どんな持ち主たちの手を経て現在まで残ったんでしょうね。
それにしても、美青年にかなり入れ込んだハドリアヌス帝、天秤座的傾向があるような気がします…
by みんちい (2005-10-09 17:37) 

ミカエラ

みんちいさん、こんにちは♪

まあ!みんちいさんもお誕生日が近いのですね、
おめでとうございます~\(^▽^)/

私の周りにはひとりも天秤座がいないのですが、ネット上でお世話になっている方にこんなに多く同じ星座の方がいるなんて奇遇で驚いています。

>>BBSでは常連の皆様の素敵なイラスト付きのお祝い、私まで楽しませてもらいました
↑アート関連でお知り合いになったわけではないのに、皆さんが揃いも揃って芸術家の才能を持っていらしてこちらも驚いています(@。@)
皆さんそれぞれ素晴らしいサイトをお持ちですので、是非訪問してみて下さいね。

>>一つの作品を求めて出かけられるなんて贅沢です。
↑アフリカに動物を見に行こうと計画していたのですが、ある本で『まどろむ(眠る)ヘルマフロディトス』の写真を見て、どうしても見に行きたくたってしまったんですよ~、気が多い上にすぐに気が変わります(;^^)

アンティノウスについて…
ベルリン至宝展に像があったのですか! 見落としてしまいました(涙)
アンティノウスは元は奴隷であったという話もありますので、それを聞くと
“美は身を助く”、ルーバクオーリのpamela師匠曰くの“ルックスも才能のうち”ですよね♪

>>どんな持ち主たちの手を経て現在まで残ったんでしょうね。
↑ルーヴルの前まではEcouen Palece(エクアン城)にあったようです。
http://www.musee-renaissance.fr/
↓こちらでは様々なアンティノウスの像がみられますのでどーぞ(^^)
http://antinoos.info/antinous.htm
by ミカエラ (2005-10-10 17:52) 

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