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パリ旅行 (3) シャンティイ城、コンデ美術館、馬の博物館 8/28(日) [パリ2005*Paris]

サント=シャペルを見学後、シャンティイにあるシャンティイ城内のコンデ美術館と、馬の博物館へ行きました。
パリの北駅から特急列車で約25分、更に徒歩で約25分です。

コンデ美術館があるシャンティイ城は、オマール公アンリ・オルレアン(~1897)まで代々世襲されてきました。
しかし公には後継者が無かった為、収集した美術品を一般公開することを条件に、1884年にフランス学士院に全ての財産と共に遺贈されました。

シャンティイ城に行く道すがら、エルメス・ダイアナ杯の会場でおなじみのシャンティイ競馬場があります↓

招待客はヨーロッパの上流階級の方々…皆さん美しい帽子をかぶってます↓
写真は昔愛読していたJJの付録から。


↑シャンティイ城。一部改装中でした(T^T)


↑フランス式庭園は、ヴェルサイユ宮の庭園を設計したル・ノートルによるもの!


↑イギリス式庭園内のヴィーナスの神殿。
庭園内は非常に広いので、見学用の馬車や小さな汽車を利用すると良いかもしれません(^v^)

コンデ美術館内には、ラファエロ、フィリッポ・リッピ、アングルの絵画、そして『ベリー公のいとも豪華な時祷書』などが所蔵されており、そのコレクションはルーヴルにつぐものと言われているのだそうです。


『シモネッタ・ヴェスプッチの肖像』 ピエロ・ディ・コジモ画
これは私が一番観たかった作品です! 
彼女は15世紀のイタリアのフィレンツェで、“美しきシモネッタ”と呼ばれ、その美貌から名を知らぬ者はいないと言われた人でした。
又、ロレンツォ豪華王(ロレンツォ・ディ・メディチ)の弟で、これまた美男子で評判だったというジュリアーノ・ディ・メディチが馬上槍試合で勝利し、彼女を愛人として獲得したということで有名です。
しかし彼女は22歳という若さで病死し、その2年後にはジュリアーノも暗殺されてしまいました。

ダ・ヴィンチやボッティチェリも彼女の肖像を描いていますが、私はこのいかにも聡明そうで謎めいたコジモ画のものが一番好きです♪
横顔の後ろの暗雲は、これから迫り来る彼女の運命を表している様にも思えます。
…こんな不安げな背景、暗い未来を表しているとしか考えられません(;^^)
シモネッタが夭折した時は、画家はまだ14歳だったそうですから、きっと彼女の死がショックと共に強烈に心に残ったのではないでしょうか。
また、首もとの黒いヘビもかなり不気味です~、この画家は一風変わった性格であったと言われています。

ボッティチェリ画のシモネッタの肖像はこちらで観られます(数点あります)↓
http://www.wga.hu/frames-e.html?/html/b/botticel/21/22adorat.html

 
『自画像』 アングル画。
アングルの絵は大好きなので、自画像(しかもなかなか美男♪)が観れて嬉しかったです。
彼はとても努力家で勤勉であったらしく、絵からも気鋭が感じられて素敵(*^^*)
彼の人生は、例えば『グランドオダリスク』などの裸体画を痛烈に批判されたこともありましたが、早くから才能を認められてイタリアへ留学したり、ナポレオンにも支持されたし、パリに戻って美術アカデミー会員又は国立美術学校の校長になったり…と栄光に満ちて幸せだったのではないでしょうか。
更に優しい奥様が亡くなった後も若い妻を娶っており、とても幸せ者ですよね~。
しかしそれも、彼が努力家であったことと、先妻をとても大切していたようですから、その賜物なのでしょう(^-^)


ウフィッツイ美術館の展示室“トリブーナ”ような赤いギャラリー。
ここにアングルの他の作品やボッティチェリ、ヴァン・ダイクなどがありました。
オマール公は、全ての展示作品を決して配置換えしないようにと言い残したそうです。


↑『馬の博物館』。 元は厩舎であったものを1982年に博物館としたそうです。
ここはとにかく臭かったです、お馬さんの匂いが(笑)
でもちょっとした曲芸で可愛い仕草を見せてくれて、最後には馬に触れることもできました。
柔らかくて、暖かいんですよね~♪

展示品は鞍とかハミとか乗馬用具が沢山あって、乗馬をされる方にはたまらないコレクションなのではないでしょうか。
その他、馬の絵画もありました。
私が感動したのはエルメスのスカーフの展示室(笑)
広げて額に入れると本当に美しいですよね、芸術品だなとしみじみ思いました。
それから、昔の古い木馬も色々な種類があって面白かったです、ナポレオン3世の物もいくつかありました。
「何百年も前に、これで遊んでいたお子様たちはどんなだったかしら、でも今はもう誰もこの世にはいないのよね~。」なんて、当たり前のことを考えて、歴史に思いを馳せながらしばらく眺めていると、何とも言い知れぬ気配が…一人くらい付いて来ちゃったかも!(怖)

コンデ美術館のサイト(日本語)→http://www.chateaudechantilly.com/japonais/


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kenta-ok

スカーフは鑑賞にも十分耐えられるなんて、すてきですね。
by kenta-ok (2005-09-22 22:53) 

ミカエラ

kenta-okさん、こんばんは、はじめまして♪

コメントありがとうございます。

エルメスのスカーフは、カタログやショップで見かける定番のものから、見たことのないものまで色々あって楽しめました。

私も数枚持っているのですが、タンスに寝かせたままではもったいない! と思ってしまいました(;^^)
by ミカエラ (2005-09-23 01:03) 

みんちい

こんばんは
ミカエラさんのパリ旅行記 とても素敵です♪
ミカエラさんがご自身で計画をたてられた旅行ですよね。ツアー旅行とはひと味もふた味も違いますね。
サント・シャペルの写真を見て、どこかで見たような…?と、今日、私の蔵書(?)コーナーをごそごそしてみたら、「Gothic」というヨーロッパの寺院を集めた写真集の表紙が、それでした。ヨーロッパに数ある寺院の中でも表紙になるくらいですから、素晴らしく美しいものなのでしょうね。ステンドグラスに囲まれてみたい! 今も一般の礼拝に使われているのでしょうか…。

>コンデ美術館 『ベリー公のいとも豪華な時祷書』
ご覧になったのですね?きっと宝石のように美しい本だったでしょうね。
中世彩色装飾本というのでしょうか?とても好きなのです。

『シモネッタ・ヴェスプッチの肖像』 ピエロ・ディ・コジモ画
私の好きなものがいっぱい出てくる、ミカエラさんのパリ旅行記うれしくなります。
この絵はとても不可思議な魅力がありますね。高校生の頃、持っていた文庫本の表紙がこの絵で、(何の本かは記憶にないのですが)とても惹きつけられて、美術の「銅版画」の授業で、この絵を一所懸命模写して彫ったものでした。

そして>昔愛読していたJJ ですか?
まあ~私もです。シンクロニシティ感じてしまいました。
その後「CLASSY」へと移行したんですけどね。

手前みそな興奮カキコミすみません。
私の心魅かれるものがいっぱい出てくるのですもの。(エルメスも~)
次はどこへ迎われるのかしら?「旅行記」読ませていただくの本当に楽しみです。
by みんちい (2005-09-23 01:29) 

ミカエラ

みんちいさん、こんばんは(^^)

旅行記、読んで下さってありがとうございます! とても励みになります。

初めて行く国では、ツアーでガイドさんから色々なお話しを聞くのも楽しいですが、2回目からは個人旅行のほうが気楽ですね。

>>「Gothic」というヨーロッパの寺院を集めた写真集
↑素敵ですね~、ミラノのドゥオモとかも載っているのでしょうか…私にはロマネスクだのゴシックだのの建築様式については、勉強不足でイマイチ判断できません(;^^)
サント=シャペルには普通の教会のように、信者達のための椅子が並べていなかったので、今は特別なミサ以外では使われていないように思います。
機会がありましたら、是非みんちいさんも行ってみて下さい!
華麗で繊細な美しさに、誰もがみとれていました。

ベリー公の時祷書は、羊皮の用紙に細密に描かれていて、小さいけれど仰るとおり宝石のような贅沢さでした。

シモネッタ・ヴェスプッチの絵が表紙の文庫本とは、もしかして澁澤龍彦さんの『幻想の肖像』ではないでしょうか。
実は私はこの本でこの絵を知ったのですヨ。
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000004167400&Action_id=121&Sza_id=G1&Rec_id=1008&Rec_lg=100813

>>とても惹きつけられて、美術の「銅版画」の授業で、この絵を一所懸命模写して彫ったものでした。
↑おお! それでしたらかなり思い入れや愛着があるのではないでしょうか。
複雑に編みこまれた髪とか、真珠の髪飾りとか、とてもオシャレですよね♪
でも模写をするのは難しそう…(>。<)

コジモの絵は『洗礼者ヨハネ』も美男子で素敵です、シモネッタに似てますよね。↓
http://www.bergerfoundation.ch/wat4/painter?museum=Piero%25Cosimo&cd=6316-3031-3959

JJからCLASSYへ移行…私も同じです(笑)
たまにCancamなどを買ったりもしてました(^v^)
by ミカエラ (2005-09-24 00:23) 

みんちい

ミカエラさん くわしいコメントをありがとうございます。

シモネッタ・ヴェスプッチの絵が表紙の文庫本は、ミカエラさんご紹介の本ではないようです。たしか、小説だったと記憶しているのですが、その本をすでに無くしていることすら忘れていたのですよ~。(歳を取るのってイヤです…)
澁澤氏の本は、取り上げられている画家が興味深いので、Amazonに注文してみようと思います。

>コジモの絵は『洗礼者ヨハネ』も美男子で素敵です、シモネッタに似てますよね
シモネッタの面影が常に念頭にあったのかもしれませんね。
このヨハネは、アルゼンチン出身の美形サッカー選手パブロ・アイマールに似ている、と思ってしまった私です。
このシモネッタの肖像といい、ルネッサンスの横顔の肖像画は、視線がこちらに直接向けられないだけに、却って、何かかきたてられるものがあります。
素敵な絵画サイト、MYお気に入りにフォルダーにいただきました~♪

>Cancam
懐かしい響きがあります!VIVIとか… 今はあまりにも雑誌が多すぎてわけがわかりませんが… 「JJ」なんて、娘が年頃になってもあるといいなと思います。
by みんちい (2005-09-25 13:15) 

迷い人

 アングルの記事に反応させて頂きます。
自画像、初めて見ました。
実直そうな、暖かな眼差しです。
子供の頃、家に世界名画全集とかいうのがあって、その中で一番好きだったのが、アングルだったのです。
絵が細かくて、美しかったからです。

 赤いギャラリーには驚きました。
こんなにいっぱいペタペタと上にも下にもと、飾っているのでしょうか。
近くて見たら、ため息が出そうです。

  行く場所の選定、予備知識、すべて準備されて行ったのですね。
驚いてしまいます、旅行とはこうあるべきですね、素晴らしいです。
by 迷い人 (2005-09-25 15:10) 

ミカエラ

みんちいさん、こんばんは♪

澁澤龍彦氏の『幻想の肖像』は、持っていたのですが、私も失くしてしまいまして、数ヶ月前にAmazonに注文したのですが、散々待たされた挙句、在庫なし&取り寄せできませんでしたとの回答でした。
なので、もしもAmazonで入手できなかったらごめんなさい、でも今は大丈夫かもしれませんね。

>>このヨハネは、アルゼンチン出身の美形サッカー選手パブロ・アイマールに似ている、と思ってしまった私です。
↑さすがはサッカー通のみんちいさんですわ~(^^)
そう言えばくるくるな巻き毛がルネッサンス!ですね、あと、芸術的なお顔立ちの、ご存知マルディーニお兄様もきっと探せばルネサンス絵画の中にいそうですね。
新しい楽しみ方を教えて下さってありがとうございます(笑)

>>「JJ」なんて、娘が年頃になってもあるといいなと思います。
↑そしたら“ママが昔使っていた、アンティークなヴィトンに夢中!”な~んていうコピーで、特集が組まれそうですね。
JJやCancam自体は捨ててしまいましたが、付録のエルメスやヴィトン、カルティエなんかの小冊子は今でもいくつか大切にとっておいてあります(^v^)
by ミカエラ (2005-09-27 02:31) 

ミカエラ

迷い人さん、こんばんは♪

>>子供の頃、家に世界名画全集とかいうのがあって、その中で一番好きだったのが、アングルだったのです。
絵が細かくて、美しかったからです。
↑だからなのでしょうか、迷い人さんの描かれる肖像画も、緻密で滑らかでアングルのそれと共通するものがあります。
知らず知らずのうちに影響を受けていらしたのですね、きっと(^^)

アングルの絵画はルーヴル美術館でも沢山観ることができて、本当に嬉しかったです。
あの肌の滑らかさ、ドレスの質感とか、なんとか筆致を見ようと近寄ってみたけれど、全くといっていいほど確認できませんでした。
専門的なことは分かりませんが、きっと何度も何度も重ね塗りをしたのでしょうね。

赤いギャラリーは八角形の壁いっぱいに絵が飾ってありました。
小さいお部屋だからこそ貴重な絵画を身近に感じられて素敵ですよね、う~ん、贅沢!

>>行く場所の選定、予備知識、すべて準備されて行ったのですね
↑私はとっても欲張り者で小心者なので、のんびりとか行き当たりばったり的な旅行が出来ないんです。
そういう旅行が出来る人ってかっこいいなと憧れてしまいます。
今回も予定を詰め込みすぎて、駈けずり回って頭も体もとても疲れてしまいました(笑)
by ミカエラ (2005-09-27 02:32) 

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