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映画 『蝶の舌』 [映画 た行 *Movie]

蝶の舌

蝶の舌

  • 出版社/メーカー: PIASM
  • 発売日: 2002/03/22
  • メディア: DVD

1999年 スペイン
*監督* ホセ・ルイス・クエルダ
*音楽* アレハンドロ・アメナバル
*出演* 少年モンチョ: マヌエル・ロサノ
      グレゴリオ先生: フェルナンド・フェルナン・ゴメス
*カンタンあらすじ* 1936年スペインの小さな村の少年モンチョは、喘息持ちのため、皆と一緒に小学生になれませんでした。
しかも兄のアンドレスに先生からの体罰の話を聞かされ、恐怖で眠れぬ夜を過します。
学校での初日には、緊張からか失禁してしまい、教室から飛び出していってしまいます。
しかし優しいグレゴリオ先生のおかげで、友達も出来、やがてクラスに馴染んでいきました。
春には先生と森へ行き、自然について学びます。
例えば蝶にはぜんまいの様な舌があること、オーストラリアにはメスに蘭の花を捧げるティロノリンコという鳥がいること…。
しかし軍事クーデターによりスペイン内戦が始まると共に、先生と生徒たちの穏やかな日々は終わりを告げました。
スペイン・アカデミー(ゴヤ)賞 13部門ノミネート、脚色賞受賞作品。

                             ****

モンチョ役の少年は、一見それほど魅力的とは思えませんでしたが、先生の話を熱心に聞き、あるいは先生の姿を見て、何かを感じようとしている表情にどんどん引き込まれていきました。
これは子供の本能なのでしょうね。大人になると、“意識して”学んだり感じようとしたりするけれど、モンチョを見ていると好奇心が自然とそうさせていると思いました。
初めてクラスで紹介された時は、緊張のあまり失禁してしまうほどだったのに、友達をかばおうとした時の表情、そして最後にグレゴリオ先生に別れを告げる表情は実に大人びて、あきらかに成長している様子が伺えて、素晴らしかったです。
さすが2500人の中から選ばれた子役です(^^)

モンチョの兄のアンドレスの恋の場面も印象に残りました。
いつもサックス演奏が下手でしたが、恋する女性の前で、初めて上手に演奏してみせて、皆を驚かすところ。
そういえば、アンドレスの音楽の先生が、演奏する時はいとしい人を想いながら…と指導していましたね。
私も以前、楽器を演奏していた時があったのですが、恋する人を想いながら演奏すれば、もっと上手に演奏できたかしら。
でもまだその頃は子供だったので、きっとそんな余裕はなかったでしょう(;^^)

最後に共和派(反ファシズム)のグレゴリオ先生は、ファシストによって自身が語っていた“人間が作る地獄”へと連行されてしまい、友達だったモンチョの父や、モンチョにまで「裏切り者!」と罵声を浴びせられて悲しそうな表情でした。
しかしモンチョの父たちが罵声を浴びせたのは、自分と家族の身を守るため。
そして本当は皆、先生を愛していることを分かってくれたことでしょう。
モンチョの「ティロノリンコ! 蝶の舌!」と言う叫び声によって。


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